2006年04月06日

時速200キロで逆走

ae4f4829.jpeg今日の1枚。

t.A.T.u./ 200 KM/H IN THE WRONG LANE (2002) ロシア

これが流行ったのも、もう3年前か・・。
1999年に結成されたロシアのお騒がせユニット。レナとジュリアのデュオではなく、プロデューサーや作詞作曲者およびマネージャーなどを含むプロジェクトを総称したものが「t.A.T.u.」だそうだ。ロシアで大ヒットをした後、世界進出を果たすために作られた英語版が本作だ。

スキャンダラスな面ばかりがクローズアップされた彼女たち、その成功は徹底的なイメージ戦略にあったようだ。ロリータ、コスプレ、レズビアンなどの偶像を作り上げ、日本でのドタキャンもプロデューサーの指示で行われたなど、作られたコンセプトを二人の美少女が演じていたのが実態らしい(シべリアンコントロール、なんちて)。当然のように大ヒット後は大きなバッシングもあり、セカンドアルバムもそれほど話題にならず、そして消えていく運命だろう。

しかし音楽的には、これがなかなか無視できないものだ。基本的にユーロビート〜クラブ系のダンスポップなのだが、ロシアを感じさせる冷たい哀愁を仄かににじませているなど、地域色がある。そして、1.2.6.9.10は、トレバー・ホーンのプロデュースで、サンプリングを多様したお馴染みのスタイルながら、センスが抜群によい。例えば、1の懐かしい80年代の香りと、重厚な強烈なビート、そして「バック・イン・ザ・USSR」を意識させる飛行機のSEなど、さすがとうならされる。ホーンが絡まない曲は、ややチープなアレンジになるものの、それほどマイナスではない。むしろ、基本的な暗く冷たい哀メロ感が、より浮かび上がっていて、ゴージャスなホーンプロデュース曲とのいいコントラストになりえている。そして忘れてはならないのが、彼女たちの歌声だ。正式な音楽教育を受けたようで、正確な発音としっかりした音程、そして美声である。ハイトーンに耳を突き刺す一方で、とても10代の小娘とは思えない深みの表情を見せる部分も随所にあってウマイと思う。

大ヒットしたキャッチーな2、耽美的でしっとりと聞かせる3.4.8、2のロシア語バージョンである9の辺境ポップス感など、どの曲も聴き所があってよくできている。5はスミスのカヴァー。モリッシーのイジイジした歌詞を、この二人に歌わせるセンスの良さには恐れ入る。タイトルは「時速200キロで逆走!」だが、音楽的には正面きって勝負できる完成度だ。流行に流されて消える音楽ではもったいない。そろそろ彼女たちも懐かしくなってきた(忘れてきた)今だからこそ、評価してあげたい。
posted by ひろりん at 22:37| Comment(2) | TrackBack(0) | ヨーロッパ以外のロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
(⊃д⊂)コンバン・・・∩・∇・∩ ワァー
t.A.T.u.懐かしいですね。
ドタキャンしたMステ観てましたよ〜
その後、来日したときは普通だったので(?_?)って感じでした。
二人とも歌すごくうまいですよね〜
t.A.T.u.の歌は聴かないんだけど(^^;大人に振り回されて消えてくのはかわいそうな気がする。。。
Posted by キャンディ at 2006年04月08日 01:48
キャンディさん、コメントありがとうございます!
コンバン・ワァーの顔文字、イイね!かわいい♪

t.A.T.u.、すでに懐かしのグループですよね。
ドタキャン、僕も見てました。
いくら話題づくりとはいえ、日本初登場であんなことしちゃうと駄目ですよね。
結局あの事件が、全世界に発信されて、世界中のファンから総スカンをくらっちゃったみたいです。

ブックオフで300円・・・、音楽で評価するなら、こんな値段は失礼なくらい、かわいそうなグループです。
Posted by ひろりん at 2006年04月08日 23:26
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