2006年03月08日

春間近なのに、秋の音楽

81a54de8.jpeg今日の1枚。

TETE / A la faveur de l'automne (2004) フランス

先日の大阪旅行中にふらりと寄ったタワレコで視聴して、1曲目でその場で泣いてしまった1枚。

1975年アフリカのセネガル生まれ(ひろりんと同級生)。幼くしてフランスに渡り、2001年にレコードデビュー。本作は2004年に発表された2作目。日本ではNHKのフランス語講座でビデオクリップが流れて、それが反響を呼んで注目を浴びたそうだ。昨年日本公演も行われているほどだ。

この人の最大の魅力は声にある。フランス語の吐き捨てるようなイントネーションが、この人独特のリズム感と相俟って、不思議な個性を醸し出している。さらにレニー・クラヴィッツを彷彿させるような濁声ながら、湿った詩情を感じさせ、心にぐっと響いてくる。そしてアコースティックギターを中心とするサウンドが、この声とぴったりくっついている。ストリートミュージシャン上がりで、ギター1本でライブなどをこなすスタイルが、そのまま真空パックされているようだ。本作では弦楽器などを用いて素晴らしい哀愁のアレンジが施されていて、憂いの表情がさらに増幅されている。

刻々と表情を変える楽曲群。小曲、肩を抜いてリラックスした楽曲などを散りばめているが、魅力の根幹になっているのは哀愁的な楽曲だと思う。2のリズミカルな哀愁感、7の緊迫感のある哀愁、メランコリックな9などが耳に残る。しかしやはり白眉はひろりんを一発でノックアウトした1だ。もの悲しいアコギの爪弾きから必殺の声が入り、ドラムが入り、仄かなオーケストラが被さり盛り上がっていく。どこか懐かしくもある甘美なメランコリー。名曲だと思う。

季節に例えるなら晩秋の趣。冬の訪れを感じる風が、郊外のひと気のない並木道を通り過ぎていく。そんな中でふっと触れたい温かな人間味。人恋しいときに思い出したい1枚だ。
posted by ひろりん at 23:03| Comment(0) | TrackBack(1) | ハレンチロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2007-11-08 22:29
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