2005年11月21日

ストーリーが一応あるんだけど、これを理解できる人はいるんだろうか

今日の1枚。
PULSAR / HALLOWEEN (1977) フランス

フランスを代表する叙情派プログレバンド。70年代に3枚の高レベルな作品を残しているが、77年に発表された3作目の本作はプログレ史上に残る大名作だ。組曲となっているハロウィーン・パート1、パート2の全2曲。
本作の評価は「哀しみと美しさに満ちたシンフォニックロック」という言葉で言い表されることが多い。たしかにパート1のひたすら沈み込んでいく暗い情景や、メロトロンやフルートなどのシンフォニックに欠かせない楽器が活躍している点でその通りなんだけど、本作の凄さは、哀しみを超越したところの無常観や、美しさを超越したところの狂気のような部分にまで達している点にあるように思う。底なし沼のような意識の混濁、幻想と現実の交錯は、けして喜怒哀楽の単純な感情では推し量れない心の闇の世界か?不安定な心の海を、小さな船で揺られているような不安感と同時に夢の中のようなまどろんだ陶酔感を感じさせる。
とはいうものの、よく聴くと時折不自然なサイケデリック面が出てきたり、パート2のやや散漫に感じる部分などがあって、完全無欠の作品ではない。思うに、バンドの当初の意図としては、ピンクフロイドの重みや、クリムゾンの硬派の叙情性、ジェネシスのファンタジー性などの、プログレバンドのオイシイ部分だけを切り取って再構築することを試みたが、実際にできあがったものは、予想をはるかに超えた合成怪物ができあがってしまったようなところではないだろうか。もちろん、それを可能にしたのは、バンドのポテンシャルが高度なものであり、できあがった楽曲をより効果的に聴き手に聞かせる素晴らしい音響をを施したエンジニアなどの裏方の努力があってのことだと思う。
バンドは本作がほとんど売れずに一旦解散してしまうのだけど、ビジネス上だけでなく、これ以上の作品は作れないんじゃないかという部分もあったんだろう。それほどに、孤高の存在感を放つ1枚だ。僕自身もう何年も聴いているけど、未だに出口の見えない迷宮に迷い込んでいるような錯覚に陥り、そしてその感覚はこれからも続いて行くように思う。もしかしたら、音触りだけでなく難解さが心地よい作品と言えるかもしれない。

Halloween
posted by ひろりん at 22:03| Comment(2) | TrackBack(0) | ハレンチロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
PULSARは、Pollenしか持ってません。
結構好きですが、他のアルバムを買う機会がなくって追求していないバンドです。

で、大昔「終着の浜辺」の日本盤が出た頃は「パルサー」という表記だったんで、私はパルサーと呼んでいますが、今は「ピュルサー」というんですね。
ひろりんは、どっち派?
Posted by judas at 2005年11月21日 23:42
judasさん、ありがとうございます!
いろいろ反応いただいて嬉しいです。

> PULSARは、Pollenしか持ってません。
僕もファーストを最初に買いました。フロイドみたいな感触が癖になって、セカンド、サードと買って行きました。
でもサードの出来には一聴して本当にビックリした記憶があります。
正常進化ではないですね。突然変異とか奇跡とか、そんな言葉を当てはめたい進化です。

> で、大昔「終着の浜辺」の日本盤が出た頃は「パルサー」という表記だったんで、
あ、松本零士さんのイラストが使われたセカンドですよね。
僕は「パルサー」派です!
デュアン・オールマンは「デュエイン・オールマン」とは読めないし、ピーター・ガブリエルは「ゲイブリエル」とは読みたくないですね。
原語の発音にこだわるのはわかるんですけど、いったん日本で定着した発音は、変えて欲しくないと思いますねえ。
Posted by ひろりん at 2005年11月22日 00:04
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