2005年09月22日

山葵な梁籐

9e3784ba.bmpΣΑΒΙΝΑ ΓΙΑΝΝΑΤΟΥ / ΠΑΩ ΝΑ ΠΩ ΣΤΟ ΣΥΝΝΕΦΟ (2002) ギリシア

最初に言ってしまうけど、これ、素晴らしいです。59年生まれのギリシアを代表する美声ヴォーカリスト、サヴィナ・ヤナトゥーの2002年作。ギリシアの国民的作曲家であるマノウ・ハジダキスの楽曲を中心にしたカヴァー集らしい。
伴奏はピアノ、チェロ、バイオリン、クラリネットのみで、静謐かつ気品と哀愁に満ちた室内楽的空間に、深い愁いに満ちた美声が乗ると、まさに天上の至楽。限りなく美しく、そして切ない哀しみが心を打つ。おそらくはギリシアではスタンダード曲であろう楽曲は、普遍的な響きのメロディを伴っていて、まるでアンティークの家具のもつ歴史の気品みたいなものを感じる。家具に積もった埃でさえも美しく思える馨しい芳香が幽玄に漂う。
よく聞きこむと、曲調はバラエティに富んでいるのだけど、共通したトーンでまとめられてトータル性も感じる。古いスタンダード曲ということで、2分台の曲が多いのだけど、2分とは思えないほどにドラマがあり、いろいろな表情が詰め込まれている。ボーカルが一旦退いて、伴奏のみの間奏になる部分などは、驚くほどに雄弁にロマン紡ぎだしていて、思わず溜息が漏れるほどだ。
ほぼ完璧な内容なんだけど、12は唯一英語で歌われていて、これだけやはり感情がギリシア語ほど籠もっていないような気がしてやや残念。

思い返してみれば、この夏、最も聴いていたCDはコレのような気がする。車にずっと置いてあって、西へ行ったり東へ行ったりする中で何気なく聴いていて、最初は聞き流していたんだけど、いつの間にか愛聴盤になってしまっていたという感じ。空気のような透明感で知らずに体内に入ってきて、知らない間にその心地よさを体の細胞が覚えてしまっていたとでもいおうか。ずっと後になって、このCDを聞き返すとき、そのときの僕はこの夏をどのように思い出すだろうか。今からちょっと楽しみだ。


posted by ひろりん at 22:14| Comment(3) | TrackBack(0) | ギリシアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもながら感性が鋭い上手いコメントに拍手。
何年かあとでそのアルバムを耳にした時に、
その年の夏の思い出が甦るって素敵だと思います。

プログレ系の音楽を聴いて言いると、その流れで
ヨーロッパ各国の音楽にも興味を持ちますが、
ひろりんさんの知識はすごいですね。
いろんな情報が詰まっているネット上でも、
未知なる世界の面白さがなかなか伝わっては
こないので、ここは貴重です。

実は、綺麗な女性アーティストの画像を
見るだけでも興味が湧いてしまいます。
ギリシャは、エキゾチックな顔立ちの女性が
多いんですね。
Posted by Dora at 2005年09月24日 08:20
Doraさん、コメントありがとうございます。

> いつもながら感性が鋭い上手いコメントに拍手。

ああ、ありがとうございます。
でも音楽を聞きながら、浮かんでくる単語や表現を繋ぎ合わせてるだけなんで、たまに強引に言葉を繋げて前後の繋がりがおかしくなっていることがあって、読み返すと嫌になることが多いんですけどね。
でも誉めていただけると励みになります。ありがとうございます。

> ひろりんさんの知識はすごいですね。

ご承知のように、守備範囲は広いのですが、そのぶんだけ知識は浅いのです・・。
皆さんのように、ブリティッシュロックやアメリカロックなどを実は深いところまで聴いてないんですね。
でもまあ、お気楽な独身生活を長いこと送ってますから、趣味は深まるばかりです。
Posted by ひろりん at 2005年09月24日 23:26
> ギリシャは、エキゾチックな顔立ちの女性が
> 多いんですね。

そうですね。
目鼻立ちがキリッとした美女が多い気がします。
でもですね・・、多くの、いやほとんどのアーティストのジャケット写真と実物の写真はほとんど別人です。
ギリシアのメイク技術と写真技術は、CDジャケの世界では最も先進国だと確信しています。
Posted by ひろりん at 2005年09月24日 23:26
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