2004年12月02日

野薔薇

キル・ビルを見た。
痛快惨殺劇。
最後に出てくる演歌が憎らしいほどに素晴らしいオチだ。
タランティーノは日本の美学をわかりすぎ。

というわけで聴きたくなった今日の1枚。
NICK CAVE AND THE BAD SEEDS / Murder Ballads (1996)

9作目。「殺人者のバラード」というタイトルどおり、殺人をテーマにした1曲ごとに完結するストーリーがエピローグを含め10編収録されたトータル・コンセプトアルバム。
執拗なまでに続く鬼気迫るようなリフレインの中を、低音の図太い声でボソボソと吐き捨てるように歌い語る文芸作品といった趣。妻と娘3人を殺してしまう男や、旅の途中で会った男に殺される女性、バーの中に居た人間を皆殺しにしてしまう男と、殺人者から見た視点で物語が語られる。救いようのない冷酷非道な物語だが、ここまで真剣にやられてしまうと逆にコメディの様相が強くなって、架空の世界の物語を怖いもの見たさで覗いているといった印象だ。横溝ミステリーに出てくる殺人鬼を見ているような感じ。最後に、「死が終わりではないんだよ〜♪」と能天気に歌っているのもどこか可笑しい。
ゲストが豪華で、3はP・J・ハーヴェイ、5はカイリー・ミノーグとのデュエットになっていて、キャラクターにあわせた配役で物語に彩りをそえている。特に素晴らしいのがカイリーとの5で、「美しいものは滅びる運命」と石で頭を砕かれるまでが、二人の視点から語られて、儚い哀しみが満ちた印象深い曲に仕上がっている。
一見、重く暗いんだけど、個性的な登場人物や、衝撃的なシーンなど、明解でインパクトは十分の極上のエンターテイメントになっている。コンセプト音楽の傑作だと思う。ただ、よほど英語力のある人以外は、日本語訳を眺めながら聞き込まないといけないのでシチュエーションを選ぶ音楽だろう。


Murder Ballads
posted by ひろりん at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | アメリカのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
懐かしい〜。
ニック・ケイブって、カイリーちゃんの大ファンで、デュエットするためにわざわざ曲を作ったらしいね。
Posted by ごろえもん at 2004年12月03日 00:12
ごろえもんさん、どうもです。
・・実は僕もカイリー・ミノーグの大ファンでした(ポッ)。
ニック・ケイブの気持ちは、痛いくらいによくわかります。
カイリーに、「私はあなたの最初の男・・」とか歌わせてるの、ズルイと思いました。
Posted by ひろりん at 2004年12月03日 00:15
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