2004年07月18日

ラジオのように

マツケンサンバの波が広がっているようだ。
電話口で「オーレ、オーレ」と言う、マツケン詐欺に気をつけよう。
盗まれるのはハートだが。

今日の1枚。
BRIGITTE FONTAINE / Comme A La Radio (1971) フランス

ブリジット・フォンテーヌといえばこれ。プログレ界にその名をとどろかす名盤。アメリカからフランスにやってきた前衛ジャズ集団、アート・アンサンブル・オブ・シカゴとの共演。サラヴァレーベルに移籍して本格デビューしてからの2作目。制作年は諸説ある。
規則性のあまり感じられない即興的な不協和音、ボソボソとしたフォンテーヌの囁くような声、公私にわたるパートナー、アルジェリア出身のアレスキー・ベニンガムが民族的なパーカッションなどが混然一体となって作り出した合成怪物。およそ、聞くに堪えない音楽だと思いきや、奇妙なグルーブ感や、内面を抉り出す内向的で個人的なモノローグ調な語りなどが、聞き手の感性を刺激する。耳で聞くというよりは、雰囲気に体を馴染ませ脳で聞くといった感じだろうか。ただ入り口は広くとも、簡単に出口は見つからないし、かといって核心に聞き手を容易には寄せ付けない尖った感性に圧倒される。そんな中で、唯一といってもいい広域的な求心力に満ちた表題曲の「ラジオのように」の明解さは、本質への糸口であると同時に安息地である。
詩的な面を見せながら尋常ではない緊張感。個人的には名作と迷作を行ったり来たりする問題作。ただ、プログレ的な尺度とは別の、人間の本質的な部分での共鳴があるような気がしての不朽の存在感のようなものを感じる。毎日は聞かなくとも、1年に1回くらいは引っ張り出してしまう自分の内面が無意識に欲しがってしまうような。傑作と評価するのは簡単だが、あえて振り回され続けたいと思わせる1枚。


ラジオのように
posted by ひろりん at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ハレンチロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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