2004年06月26日

カサブランカ・ムーン

今日の1枚。デビューはドイツだから、ドイツでいいのか?
SLAPP HAPPY / Casablanca Moon (1974)

アメリカ人のピーター・ブレグヴァッド、イギリス人のアンソニー・ムーア、その奥さんでドイツ人のタグマー・クラウゼの3人組。ファウストとファーストアルバムをドイツで製作した後、ヴァージンに移籍し英国へ。すでに完成していたセカンドアルバムだったが、録り直して発表されたのが本作。ちなみにこのお蔵入りアルバムはずっと後年になってタイトルを「アクナルバサック・ヌーム」として発表された。
ファウストとの関係やヘンリー・カウへの吸収などアヴァンギャルドなイメージがつきまとうが、本作に関する限りは非常によくできた耽美派ロック。密室で作りこまれたような閉塞感漂う音空間を、タグマー・クラウゼのアンニュイでいてクールなボーカルが漂う。レトロというわけではないがどこか懐かしさを感じる曲調と、この時代にしてすでにニューウェーブ的な音触りが奇妙に共存している。ただ、けして流行に乗るような雰囲気ではなく、時間軸とは別の次元で存在しているような普遍的な響きに満ちている。タイトル曲は出色の出来。これが駄目な日本人は、少ないんじゃないだろうか。
耳触りはひたすら心地よいが、その奥の闇の暗さは何だろうか。ポジティブさは皆無だが、かといってネガティブでもない。日本の表情のない能面に感じる静寂感とでも言おうか。そういえば10曲目のタイトルは「HAIKU」だ。
地味だけど、一度この世界に浸ってしまうと、しばらくどこにも行きたくなってしまうような1枚。プログレではないと思う。


Casablanca Moon/Desperate Straights
posted by ひろりん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツもコイツもロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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