2016年06月22日

プログレ製造工場

LA FABBRICA DELL'ASSOLUTO / 1984:l'ultimo uomo d'Europa (2015) イタリア

イタリアの新鋭プログレグループ、ラ・ファブリカ・デラソルートのデビュー作。バンド名は「絶対製造工場」という意味。ジョージ・オーウェルが1948年に発表した小説「1984」へのオマージュとなっている。
若手の新人バンドだが、まあなんとも古くさい。70年代のイタリアンロック最盛期にそのまま居ても、何の違和感のない懐かしい耳障り。ムーグ、メロトロン、ハモンドといった三種の神器は揃っているし、落ち着かないドタバタした雰囲気や、ドラマチックに盛り上がったりと、ムゼオやBigliettoi per l'infernoあたりの、いわゆるヘビーシンフォニックな要素が満載。本人たちは勿論この時代の音が好きなんだろうが、よく研究している気がする。
テーマも古い。70年代のバンドが取り上げそうな、核戦争後をテーマにしたSF小説だ。マインドコントロールされた統制社会に疑問を持つ登場人物たちの葛藤とやるせない顛末が、いかにも70年代的な音とよく合っている。
新鮮味はまったくないながらも、安心して聴いていられて満足度は高い。20年前、初めて聴いたイタリアンロックの感動と興奮を追体験できる本格的なビンテージサウンドだ。
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2016年06月21日

リスモのカーブ

LA CURVA DI LESMO / Same (2015) イタリア

AMS 2015/10
ファビオ・ズファンティと、ゼーノのステファーノ・アニーニのプロジェクト。60年代のゴシック&ホラーアニメに出てくるヴァレンティナなる女性へのオマージュ作品とのこと。ジェニー・ソレンティの他、ズファンティ側近やゼーノの面々が参加。
懐古趣味な印象的なジャケットのイメージ通り、60〜70年代のテイストがふんだんに散りばめられている。往年のイタリアンプログレで似たところを探すと、セミラミスやブロンゾやムゼオあたりと音触りは似ているが、色気があって俗っぽいところが個性であり現代的といえるか。
長尺の全3曲。1曲目はビデオクリップも作られているが、エロ&ホラー。2曲目3曲目も、男性ボーカルも交えてドラマチックで場面展開がせわしなく緩急自在。バイオリンがふっと入ってきたりと、イタリアンロックの魅力が満載。傑作だと思う。
ちなみにバンド名の「リスモのカーブ」は実在するそうだ。

La Curva Di Lesmo - La Curva Di Lesmo
La Curva Di Lesmo - La Curva Di Lesmo



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2016年06月13日

エロスとプシュケ

HOSTSONATEN / SYMPHONY N.1 CUPID & PSYCHE (2016) イタリア

イタリアのワーカホリック鬼才、ファヴィオ・ズファンティの、バンド形態をとらずに好きなミュージシャンを贅沢に使ってシンフォニックロックを好きなようにやりますよプロジェクトの最新作。
テーマはローマ神話から。原題ではローマ神話の「キュピドとプシュケ」だけど、邦題ではギリシア神話の「エロスとプシュケ」。この違いはローマ神話がギリシア神話の翻訳だから。あらすじとしては、人間の娘プシュケと恋に堕ちた神様(キューピット)二人のお話。けしての神の顔を見てはならないという掟を破った人間プシュケが数々の試練を乗り越えて神の許しを得てハッピーエンドになるというストーリーが交響曲で表現される。
前作ではボーカル入りでロックオペラとして表現されていたが、今作はオールインストにして、本物の管弦楽器が全面にフューチャーされている。とはいいつつも、エニドなどのような室内楽風ではなく、ドラムの叩き方や、泣きのギターソロや、キーボードが前面に出てくる場面も多く、あくまでロックの範疇のオーケストラの使用となっている。このあたりは今作より共同制作者となった、ゼーノのルカ・スケラーニのオーケストラアレンジの存在感とズファンティのシンフォニック&エキセントリックな面がバランス良く混ざって絶妙だ。
ホストソナテンは四季シリーズなどロック界に燦然と輝く傑作揃いだが、それらに匹敵する出来栄えだと思う。情景を音にする能力、イタリアらしい情感の豊かさなどにただただ感心。マスケラを脱退し、前作「老水夫の歌」の完成を先送りにしてまで完成させた本作。ズファンティの才能と表現力はとどまることを知らない。バレエ音楽としても劇場公開されるらしく、相当楽しみだ。


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2015年06月19日

HOSTSONATEN / Autumnsymphony (2009) イタリア

ファビオ・ズファンティのソロプロジェクト。四季シリーズの第3弾となる「秋」オータムシンフォニー。
いきなりのジャズで幕を開けるオープニング。秋の夜長に似合う成熟した大人の雰囲気。2の枯れ葉散るアコースティックギターに絡むマッテオ・ナウムの泣きのギターソロ、3のバイオリン、フルート、ピアノの織りなす繊細な美しさ、6のトランペットの響きの郷愁感。終盤の哀しみの女性スキャットは、やがてくる冬(=死)を感じさせてぐっとくる。
曲数は10だが、切れ目がなく曲が展開していく。成熟したラグジュアリーな秋の入り口から季節が流れて、冬のあしあとが忍び寄り、後半はすっかりと晩秋の風景。哀愁ていう字は、哀しい秋の心と書くのだ。
毎度ながら素晴らしい完成度の傑作だ。

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2015年06月12日

HOSTSONATEN / Winterthrough (2008) イタリア

ファビオ・ズファンティのソロプロジェクト、ホストソナテン。四季シリーズの第二弾となる冬。
すべての音が冬である。冷涼な空気をあらわすメロトロン、静かに降りしきる雪のような静謐なピアノの調べ、生命活動の停止した世界が淡々としたリズムで流れる。四季の移ろいは人生にも例えられるだろう。冬は「死」をあらわす。管楽器の響きはまるで鎮魂歌だ。全曲は切れ目なく繋がって、やがて温かいメロディがあらわれて季節は移ろい、春の訪れを予感させて、最後は前作の「春」のメロディで締める。完璧。
一聴して他の季節よりも地味だけど、個人的には冬がいちばん好み。起伏があまりないので、逆にメロディがぐっとひきたつ。マッテオ・ナウムの泣きのギターや、名曲6のサックスの響きが心にしみわたる。
聴いているだけで冬の光景が脳裏に浮かび上がる傑作だ。

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2015年06月09日

HOSTSONATEN / SPRINGSONG (2002) イタリア

現代プログレシーンを代表するファビオ・ズファンティのソロプロジェクトで、バンド形態をとらずに叙情派シンフォを自分のやりたいようにやるという趣旨のホストソナテン。その代表作ともいえる四季シリーズのスタートを飾る「春」。2010年にベースパートの差し替えやサンプラーを本物のメロトロンに置き換えたバージョンがでている。
「四季」をテーマにした音楽はヴィヴァルディをはじめとして数多いけど、少なくともロックフィールドにおいては50年100年と聴かれ続けられるだろう名作だ。とにかく春というイメージを音を使って描ききっている。雪解けの明るい陽光、生命の息吹、たおやかな情感。キラキラとしたアコースティックギターをバックにフルートやリコーダーが、さわやかにメインテーマを奏でる。一転バイオリンの湿った情感や、ドラマチックなギターソロなど、全編にわたって一分の隙のない完成度。1〜4、9の繰り返し奏でられるメロディの流れも美しい。5の緊張感のジャズ風がギターソロに導かれて一転するところなど唸るしかない。
元々の着想は、98年に訪れたフランス・ブルターニュの美しい自然に触れたときだという。春がスピーカーからこぼれ落ちる。キャメルやジェネシスを源流とする叙情派シンフォニックの最高峰。この後、8年をかけて四季シリーズを完結。そしてそのどれもが最高レベルの出来。ズファンティ恐るべし。

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2015年06月04日

DO UT DES

UT NEW TROLLS / DO UT DES (2013) イタリア

2000年以降、権利関係で純粋なニュートロルスの名前が使えなくなり、元メンバーたちにより様々なニュートロルスが乱立しているが、これは黄金期のメンバーであるジャンニ・ベレーノとマウリツォ・サルヴィが結成したバンド。その名のとおり72年の名作「UT」期のサウンドを再現すべく結成され、2012年には日本公演も行われた。そして2013年に発表されたオリジナル新作。
クラシックとハードロックのミクスチャーである70年代の「UT」期だが、本作はいわばハードポップ。70年代から生き抜いてきたベテランといった雰囲気はあまりなくて、驚くほどフレッシュ。素直なメロディとともに、ほどよいクラシカルさをだしたアレンジと、普通によくできた曲が並ぶ。そしてプログレファンにアピールするタイトル曲6、コンチェルトグロッソを彷彿させる7など、アクセントも効いている。
ハイライトは最終10曲目。4曲目のドラマチックに盛り上がるバラードを英語に変え、客演ボーカルとして熱唱するのは、元トトのファギー・フレデリクセン。この1年後に病気で亡くなってしまうとは思えない素晴らしい歌声が胸をうつ。

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2015年05月20日

ヤクラ

JACULA / Pre Viam (2011) イタリア

プログレ愛好家の中でも、ここまで手を出したらオシマイとおそれられつづけられてきたイタリアンプログレの最深遠ヤクラ。72年の名作「サバドの宴」以来、なんと39年ぶりの新作。
ヤクラと言えば、暗黒世界を織りなすパイプオルガンと女性の呪文が強烈なインパクトだったが、本作はギターを中心として随分とソフィスティケイトされた雰囲気。それに恐怖のうめき声や死体を貪る獣の鳴き声のようなSEが散りばめられて、ヤクラの世界を再現している感じ。そこの強引さがB級ホラー映画のようにも聞こえてどこか微笑ましい。
「サバドの宴」でもそうだったが、美しいメロディにドキッとさせられる瞬間が随所にある。不気味さと同時進行する美。死や黒魔術といった要素があるからこそ、美しい部分がよりひきたつ。ここの法則こそがヤクラ最大の魅力なんだと思う。
1曲目のタイトルはずばり「JACULA IS BACK」。リアルタイムでヤクラの新作が聞けるとは思いも寄らなかった。ひょっとして来日とかする日が来るのかもしれない。恐ろしいことだ。

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2015年05月12日

アリエナトゥーラ

IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / Alienatura (2013) イタリア

1stで参加していたガリフィは、なんと本家ムゼオ復活のため脱退。代わりに、似たような野太い声質のボーカリストが加入したイル・テンピオ・デッレ・クレシドレの2ndアルバム。
「あ、風が吹いてきた。風は何でも運んでってしまうんですね。」という日本語のナレーションではじまる「KAZE」で幕を開けるオープニング。日本のアニメが大好きなエリーザらしい面が微笑ましいが、ギターがうなりを始めれば、前作の延長線上の安心して聴いていられるヘビーシンフォ。新加入のボーカルも存在感たっぷりだ。
全体としてギターの成長というか存在感が増している。ダークな重厚感とリリカルな叙情、そしてそれに絡むドラマチックなキーボード群。ムゼオという呪縛がやや薄れた分だけ、フレッシュさを感じる。そして小悪魔的なボーカルを披露するエリーザ嬢もいいアクセントになっている。
ガリフィの脱退をものともしない1stに劣らない傑作。エリーザ嬢はメイキャップアーティストとしての顔があるなど多才多忙な人だけど、3ndアルバムも期待しています。

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砂時計の宮殿

IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / Same (2010) イタリア

現代イタリアのヘビーシンフォニックバンドの1stアルバム。
イタリアンプログレの最盛期に驚愕の名作「ツァラトゥストラ」1枚を残して歴史に消えた伝説的な名バンド、ムゼオ・ローゼンバッハ。彼らの音楽を敬愛するエリーザ・モンタルド嬢が、「ツァラトゥストラ」の世界を再現すべく当時のボーカリスト、ステファーノ・ルポ・ガリフィを引きずり出して2006年に結成したのがこのバンド。バンド名は訳すと「砂時計の宮殿」で、「ツァラトゥストラ」の収録曲から引用されている。すべての曲は、エリーザとベーシストのFabio Gremoによって書かれている。
このバンドはムゼオを愛するエリーザ嬢の情熱がいちばんの魅力だ。ハモンドやメロトロンをはじめビンテージ感溢れる多彩なキーボードを駆使して、幻の彼方の世界を現代に蘇らせている。いかにも70年代なドタバタした豪快なドラム、よく走り存在感たっぷりのベース、繊細さと剛胆さのギターとすべてにエリーザの情熱を叶えるべく最良の仕事をしている。そして仕上げは、本家本元のガリフィの力強く精神性の宿った声が入って完璧。結成から4年余り、曲を練り上げてアレンジにも細心の注意を払ったんだろうことが伺える。
70年代のイタリアンロックのもつ哀愁とドラマチックなシンフォニックロックのすべてを現代に再現させた傑作。今となっては本家ムゼオが復活しているので、なんとなく影がうすくなっているけど、素晴らしい作品であることは変わりがない。

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2015年05月10日

どこの音楽をしました

DODI BATTAGLIA & TOMMY EMMANUEL / Dov'e Andata La Musica (2015) イタリア

イタリアの国民的ロックバンド、イ・プーのギター職人ドディ・バッタリアの12年ぶりソロ3作目。バンド活動休止中にロビー、レッドに続き最後にやっぱりこの人もだすんだね。4曲のインストを含む全12曲。「アコギの神様」の称号をもつオーストラリアのスーパーギターリスト、トミー・エマニュエルとの連名作。
なんといってもフィンガーピッキングの達人が絡むインスト曲がかっこいい。冒頭1「Mediterranean girl」のむせび泣くドディのギターと超絶アコギの哀愁の旋律の掛け合いの格好良さと言ったら!トミー作の5「The Journey」のゾクゾクするようなフレージング、10「Louis and Clark」の流れるようにキラキラと輝くアコギの旋律、ドラマチックなシンフォニック12「Vale」と、素晴らしい。
そして忘れちゃいけない歌モノ。シングルカットされた2「Grazi」、プーの作品にあっても違和感のない6「Tu resti qui」、オーディション番組出身の若手女性歌手Beatrice Ferrantinoとのデュエット曲があったりとバラエティに富んでいながらどの曲もいい。
ギターリストのソロアルバムって割とつまらないものが多いんだけど、いやはやドディさん参りました。傑作でしょう。
それにしても、プーの3人が3人とも素晴らしいソロアルバムを1年間の間に出してくれてなんと幸せなことか。来年の結成50周年に期待が膨らみます。

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本能と星

RED CANZIAN / L'istinto e le stelle (2014) イタリア

イタリアの国民的ロックバンド、イ・プーのベーシスト兼ビジュアル担当。ロビーにつづきイ・プーの活動休止中に発表された28年ぶりとなるソロ2作目。ジャケットはさすがは元ビジュアル担当、様々な技法を使ってかっこいい。左手で頬をおさえると小顔に見えるんだね。
発表は2014年9月30日。全12曲。アレンジは、義理の息子フィル・メール。
プーの作品の中でもレッドの作る曲はメロディが素直な曲が多いけど、同じ傾向の曲がならぶ。アレンジも含め、後期ビートルズ〜ポールのソロあたりと似た古き良きブリティッシュロックの香り。冒頭曲はまるでジョージ・マーティンが関わっているようだ。
楽曲は粒揃い。2000年以降レッドの作る曲はどれも素晴らしくて、プーの重要な個性になっているけど、その充実ぶりが継続。軽快な曲、しっとりとした曲、プーに入っていても違和感のない曲とどれもいい。最終曲はお得意のフレットレスベースが活躍するしっとりしたインスト曲で締める。

傑作。ソロアーティストとして自信に満ちている。

強引翻訳

本能と星


1沈黙の賞賛
2あなたがそこにいる
3私はあなたに実行
4無限
5どのような問題が発生した
6一瞬
7毎日あなたが愛する別の日です
8容赦なく
9すべてのライト
10星から1ステップ
11ボクサー
12秋のソナタ
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2015年05月08日

しかし、私の人生

ROBY FACCHINETTI / Ma che vita la mia (2014) イタリア

イタリアの国民的ロックバンド、イ・プーの絶対的フロントマン、ロビー・ファッキネッティの最新ソロアルバム。
2016年のプー結成50周年に備えてバンドとしての2年間の活動休止を発表。メンバーは皆60を超えて、ロビーも70。さすがにゆっくり休憩したいんだろうと思いきや、元気の有り余るワーカホリックじいさんたち、それぞれにソロアルバムを発表。さらにはそれぞれプロモーションやライブツアーにと精力的すぎ。止まっていると死んじゃう人たちなんでしょう。その先陣をきって、ロビー20年ぶり3作目のソロアルバム。
冒頭とラストのインスト曲を含む全10曲。本作はなんといっても2013年1月に亡くなった、今までのプーのほとんどの曲で詩を書いてきたヴァレリオ・ネグリーニとの最後の共作となったこと。1曲目のドラマチックなインスト曲。まるで「早く歌詞をつけてよ」と言っているようで胸をうつ。
収録曲はどれもいい。軽快な2、ロビー節の3・6、ドラマチックな9とどの曲も粒揃い。そしてどの曲も艶っぽいロビーのボーカルが満載。70近いのに衰えるどころか表現力が増しているような気もする。おそるべきジジイ。
近年のプーの作品と同様、つけいる隙のない傑作。ただ「ひとりプー」状態になっていないのは、様々な音色のキーボード比重の高さとバラード系の曲の多さ、そして何より他の二人の不在だろうか。結果として、早くプーの新作が聴きたいなぁ。

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2014年11月23日

LE ORME / LIVE IN PENNSYLVANIA


2005年のNEARfestのライブの模様。

現在脱退してしまっている、オルメサウンドの要、アルドーの声が堪能できるのがいちばんの魅力。
堅実なキーボードのボンさん、バイオリンも操るツインキーボードのアンドレア・バッサート、お調子者ドラマーミキティの4人編成。アルドーがシタールを持ち出したりと、いかにも70年代を生き抜いてきたバンドらしい面も見える。
収録曲は当時の最新作L'infinitoから5曲、包帯の男から3曲、フェローナから9曲、コラージュから1曲とファンにはたまらない選曲だ。

70年代のライブでは演奏力の拙さが馬鹿にされていたけど、安定した演奏。オリジナルキーボードのパウウリカはいないけど、あまり気にならん。
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2014年11月18日

IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / LIVE IN SEOUL

2011年10月8日のソウル公演。
ツァラストゥラ全曲と、1st全曲を演奏。
ガリフィ在籍時の、もうひとつのムゼオ。
主役はもちろんガリフィ!ではなく、イタリアンプログレ界の女王、エリーザ姐さんだ。
ムゼオを含め、むさ苦しいおっさんばかりのシーンの中で際立つ妖しい美貌。キーボード群に囲まれながら、時代を超えてヘビーシンフォニックを奏でる姿は圧巻。ドラム、ギター、ベースも鉄壁の演奏。それに、伝説のガリフィの声が乗るんだから贅の極み。
1stの曲も、なんの違和感なく同居。もうひとつののムゼオの奇跡の絶頂期の記録に感激だ。20141118155319045.jpg
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2013年11月15日

NEW TROLLS / SAME (1970) イタリア

newtr2nd.jpgセカンドアルバム。
ファーストと違って、それまでのシングル曲を集めたコンピレーション的な作品である。(この当時のイタリアのバンドに多い)
記念すべきデビューシングル6「SENSAZIONI」、名曲1「UNA MINIERA(鉱山)」、7,8,11のヒットシングル曲を含む。もっとも、この当時のトロルスには、アルバム未収録のシングル盤が20曲くらいあって、最近出たコンピレーションでようやく聞けるようになった。
寄せ集めて的な本作だけど、シングル盤らしい明解でキャッチーな曲が多く、そのどれものがセンスのいいアレンジや展開で満足度はとても高い。


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2013年11月14日

NEW TROLLS / SENZA ORARIO SENZA BANDIERA (1968) イタリア

newtrolls1.jpgニュートロルスの記念すべきデビューアルバム。
プロデュースはファブリツオ・デ・アンドレとジャンピエロ・レヴェルベッリ(オルメとの関わりで有名)。
全10曲。曲間がなく、イタリア初のコンセプトアルバムとも言われている。
イタリアらしいメロディアスなカンツォーネポップスに、サイケデリックなアレンジや、オーケストラアレンジが乗る。ヴァニラ・ファッジやビートルズあたりの影響を感じるところだ。
ニコのボーカルを中心に、コーラスワークもすでに確立している。ボーカル個人主義の多いイタリアにおいて、当時から珍しいだろう。
70年代のトロルスはアルバムごとに印象がガラリと変わるんだけど、原点がここにあるというのは後年からさかのぼって妙に納得できる。
デビュー作ながら完成度も高く、名盤だと思う。

当時のメンバー 
NICO DI PARO
VITTORIO DE SCALZI
GIORGIO D'ADAMO
GIANNNI BELLENO
MAURO CHIARUGI
ジェノヴァの腕利き5人とのこと。




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2013年11月12日

PANGEA / INVASORI (1976) イタリア

当時、レコーディングされながらも、プログレスタイルのバンドが敬遠される中で発売されることなく、お蔵入りになってしまった1枚。
ジャケットすらなく、プロモ用に100枚ほどプレスされたのみで、2007年になってジャケットも与えられ、ようやく発表発売された。
メンバーは、セッションマン、プロデューサーとして名が知られるMAURO PAOLUZZIを中心とする5人組。この人が、作詞作曲もてがけている。

全10曲で、2つの組曲からなっている。
前半は、スペイシーで女性のスキャットが舞っていて、まるでゴングのよう。
それぞれが独立した曲になっていて、幻想的だったり躍動感があったりと表情が多彩で面白い。
イタリアンプログレ特有のドタバタ感はあまりなく、テーマにそってしっかり作りこまれた印象。
1級の名作ではないけど、発売すらされなかったのは哀しいところ。





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2012年04月30日

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012:ロマンの誕生 最終日

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012:ロマンの誕生 最終日

とうとう3日間のビッグイベントも最終日がやってきた。
今回は、フォルムラトレが来日予定だったんだけど、ラディウスが心臓の手術をしたということで急遽来日をキャンセル。ロカンダとプーの2組だけだった。

フォルムラトレも、大きな思い入れのあるバンドで、70年代の4作、そしてラディウスとロレンツィの参加したイル・ヴォーロも本当に好きでよく聞いた。
チッコの声も好きだし、ラディウスの繊細なギターも好きだった。
来日中止はとても残念だったけど、術後の経過は順調のこと。またの機会にぜひ観たいものだ。

ライブの1組目はロカンダ・デッレ・ファーテ。
77年の「妖精」は本当によく聞いて好きで、いろんな人に薦めて聞かせてたこともあったっけ。
という割りに、最新作はフォローしてなくて、「妖精」からの曲以外は知らなかった。

セッションミュージシャンの集まりだっただけあって、風貌は地味でも演奏はバッチリだ。「妖精」の1曲目の流れた瞬間の全身の震えときたら。2曲目からのボーカル部では、ビッグなおじさんが登場。そして歌い出せば、あの聞き覚えのある声。いつもながら、まさかこれを生で聞けるとは!と大興奮だった。
「妖精」以外も、ロカンダらしい構築美に隙の無い緻密な演奏で聴き応えのあるライブでした。

そして1時間程度で、アンコールもなく終了。
「えっ、もう終わり?」とは、会場の誰もが思ったはずだ。
ありがとうロカンダ。

そして、3日間で最後のプー登場。
演奏曲はすべて同じ。フォルムラトレのキャンセルで、二つのバンドが延長して演奏するとチラシに書いてあって、「何演るんだろう?」とソワソワしていたけど、何もなかった・・・。
いつものように、鉄壁の演奏。レッドが動き回る瞬間や、ロビーの派手なアクションなども寸分違わず同じ。いつ観にいっても、同じように満足できるライブなんだなと感じた。これって、けっこうお客さんにとって重要なことだよね。3日間全部来るなんて、そうそう居ないんだから。
MCも、だからいつも同じなんだね。
レッドの「アメリカンジーンズ」のくだりもね。 

後から気づいたことなんだけど、終演後に携帯を見たら19時29分に緊急地震メールが。震度3だったようだけど、ほとんどプーと一緒に歌っていた僕はまったく気づかんかった・・・。そういえば、ライブ中に何人か不自然に上を見ていたね。

そして刻一刻と近づく終演のとき。
DAMMI SOLO UN MINUTO のあたりから、目に焼き付けようと思うんだけど、ぜんぜんうまくいかない。
そしてついに 最後のCHI FERMERA'LA MUSICA。
「誰が音楽を止められるか」と歌われるこの曲で大団円。
ステージで3人で抱き合うロビー、ドディ、レッド。この光景がいつ見ても本当にいい。鉄壁の演奏と楽曲は、3人の結束力なくしてはありえない。ステファーノが居ないのは残念だけど、これからも止まらずに世界中にプーの音楽を届けてくれるはずだ。
そして、観客に向けて最後のお別れ。
日本に来てくれてありがとう。これからもずっと聞き続けるからね。

・・・夢のような3日間が終わった。
ニュートロルスにオルメにロカンダにプー。こんなにも大好きなバンドたちが、一度に見られるなんて、夢にも思いませんでした。
このとんでもないライブの実現に携わった関係者すべての方々に感謝申し上げます。
そして、このライブの話を聞いて、即座に3日間のチケット代と宿泊代をぽーんとだしてくれた妻にも感謝です。レッドが「また来るけど、来てくれるかい?」と言うんで、即座に「行くー」と言ってしまったので、そのときはよろしく。

おしまい
posted by ひろりん at 20:44| 愛知 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月29日

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012:ロマンの誕生 二日目

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012:ロマンの誕生 二日目

そんなわけで、2日目だ。
今日の目玉はオルメ。
オルメも僕にとっては思い入れのあるバンドで、20代前半の頃に一時期に音楽を離れていた時期に触れて、再び音楽道に向かわせてくれた恩人なのだ。
テクニック無き者はプログレにあらずの価値観が、「包帯の男」を聞いたときに涙を出して覆りました。アルドーの人懐っこい癖のある声と、下手ながら必死にプログレ的な音楽をやろうとしている姿が、音楽の本質に触れた気がした。

今回は、そのボーカルのアルドーもキーボードのパッウリカも居ない布陣なんだけど、2000年以降から充実した活動(どのアルバムも本当に出来がいい)をしていることに敬意を表して楽しんで見てこよう。

1 L'ALBA DI EURASIA
2 IL ROMANZO DI ALESSANDRA
3 VERSO SUD
4 UNA DONNNA
5 29457 L'ASTEROIDE DI MARCO POLO

シルクロードをテーマにした2011年最新作より。2000年代を引っ張ったのは、間違いなくキーボードのマイケル・ボンさんなわけで、その姿がはじめて見ることができた。唯一のオリジナルメンバーの、ミケ・デ・ロッシ。数々の名曲を叩いてきたんだと思うと万感たる思い。
そして、途中のボーカル部は、アルバムどおりメタモルフォッシのバリトンボーカリスト、ジミー・スピタレリ。歌いだした瞬間の空気感まで変わるボーカルの存在感がもの凄い。自分の歌が終わると、さっさと帰っていくのが可笑しかった。

6 COLLAGE
7 ERA INVERNO

バンド初期の代表作。少しばかり古ぼけたキーボード音が鳴り響いた瞬間に、鳥肌がぞくぞくっと。最新作もいいけど、やはり体に馴染んでいるのは70年代の曲なんだよね。

8 UNA DOLCEZZA NUOVA
9 GIOCO DI BIMBA
10 LA PORTA CHIUSA
11 BREVE IMMAGINE
12 FIGURE DI CARTONE

代表作「包帯の男」より。
荘厳なキーボードが響き渡り、めまぐるしく表情を変えていく冒頭で、もうノックアウト。ボーカル部も、スピタレリとベースの人が入れ替わりながらも、アルドーの穴を埋め合わせてくれる。
全体に、か弱い印象があったけど、音圧も高くて演奏力は安定感のあるものだ。
10で、僕のボルテージは最高潮!
12の、必殺のムーグぽいソロが、懐かしい友達にあったように嬉しかった。

13 SOSPESI NELL 'INCREDIBILE
14 FELONA
15 L'EQUILIBRIO
16 RITRATTO DI UN MATTINO

そして代表作「フェローナとソローナの伝説」より。
プログレファンには、これが一番のお目当てなんだろうね。会場はいちばんの盛り上がりでした。
イタリアンプログレ史に燦然と輝く金字塔のひとつ。その名曲が目の前で見られる事実。クラブチッタって凄いね。
メンバーはいったん退く。

アンコール
17 MAGGIO

「夜想曲」の最終曲。
不安げな冒頭から、奇妙なリズム、そしてたおやかなメロディーへと。いいバンドだなあとしみじみ。家に帰ったら、もう一度全部聞きなおして見よう。

以上でオルメは終了。
素敵な時間をありがとうオルメ。
名曲の数々をアルドーの声で聞きたい欲求は、2010年のプログレフェスのDVDで我慢します。

そしてその後は、我らがプーの2日目だ。
セットリストは1日目とまったく同じでした。
ライブ自体、特段の変化はなく、メンバーのコメントも同じようなことを言っていたように思う。

昨日の僕の席はドディ寄り。そして今日はレッド寄り。レッドはとにかく動きがあるので(ドディが動かないんだろうな)、ライブの躍動感を求めるならレッド側だなと思った(笑)周りもレッドに合わせて、タテノリだった。

やはり昨日と同じく、パルシファルで総立ちでした。
僕も少し余裕が出てきているので、いろいろと細かい動きを観察。パルシファルのときのリコーダーは、吹き終わったらどうするんだろう?と見ていたら、マイクスタンドに格納できるようになっていた。
あと、今まであまり思わなかったけど、レッドと実の息子のフィルはよく似てる!ちょうどレッドの後ろにフィルがいたんだけど、レッドがフィルに似てるように感じたよ。

そして本日、ひろりんは、ドディとのコンタクトに成功。
手を振ったら応えてくれた(たぶん)

これで2日目も終了。
ライブ会場を出ようとしたら、スピタレリがグッズ売り場にいた。
おおーすげー、とは思ったが、色紙もペンも持ってなかったんで横目でスルー。
今思えば、なんかしてもらえばよかったなあ。
posted by ひろりん at 09:43| 愛知 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月28日

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012 ロマンの誕生

イタリアンプログレッシブロックフェスティバル vol2 春の陣2012 ロマンの誕生 (長いタイトルだ)に行ってきた。

今回の目玉はなんといっても、絶対に無理だと言われ続けられていたプーの来日。ここ数十年にわたって、プーがフェイヴァリットバンドだった僕にとっては驚天動地。思わず、3日全部チケットを買ってしまったのだった。
というわけで、クラブチッタ川崎に行ってきた。

最初はニュートロルスUT。
ニュートロルスもかなり思い入れのあるバンドで、イタリアンロックに興味を持ち出した頃、PFMやオザンナなんかと一緒に聞いたんだけど、いちばん心の琴線に触れたのがニュートロルスであり、アルバム「UT」でした。
その「UT」を中心に演奏するために結成されたのがニュートロルスUTだ。
中心人物のスカルツィとニコは参加しておらず、名前がわかるところでは、当時在籍していたジャンニ・ベレーノとマウリツオ・サルヴィが参加していた。

1 studio
2 XX2 strada
3 I CAVALIERI DEL LAGO DELL'ONTARIO

UTの冒頭から3曲。ドラの音が響き渡り、流麗なピアノの調べが流れ出すと、一気に会場も僕も大興奮。まさか、このバンドのこの曲が僕の目の前で演奏されているとは。
イタリアンロックを聴きはじめた頃に感じた、英米のロックには感じられない気品と情熱を鮮烈に思い出し、そして涙がでた。

4 C'E'TROPPA GUERRA
UTからのハードロックチューンの曲。ツェッペリンのようなグルーブのあるリフが心地よいね。

5 CHI I PUO'CAPIRE
UTからのバラード。サルヴィではないキーボードの人の声が伸びやかに響き渡る。ニコの声で聴きたかったなぁ、とは思っていけないよ。

6 L'AMICO DELLA PORTA ACCANTO
UT後、分裂期に出た、ニコ・ジャンニ・フランク・マウリツオ名義のクエスチョンアルバムから。ほえ〜、この曲をやるかぁ。分裂の原因になったハードロック志向がよくあらわれた曲だと思っていたけど、かっこいいね。

7 DIVINE MOUNTAIN / JOURNEY OF LIFE (PART 1-4)
歴史をたどるかのように、クエスチョンアルバムのあとに結成したイビスの名作「サンシュプリーム」から。繊細なギターが響きわたると、震えとともにこみ上げるものが。
何度も感じるんだけど、まさかこの曲が目の前で見られるなんてね。

8 NATO ADESSO
UTからのメランコリックなナンバー。途中からのインプロヴィゼーション的なギターソロがかっこいい。

9 TEMPO:ALLEGRO
一度幕が閉じ、そして日本人女性ヴァイオリニストが登場。ロックの雰囲気から一変してコンチェルトグロッソの世界へ。何度か競演されているようで、バンドとの呼吸もぴったり。というか、このバイオリンの方がいなかったら、どう再現していたんだろうかね。

10 TENPO:ADAGIO
ボーカル入り2曲目。これぞイタリアの情熱のほとばしり。題材はロミオとジュリエットの悲劇だけど、会場は一番の盛り上がりを見せる。70年代を代表する名曲だ。

11 TEMPO:CADENZA
コンチェルトグロッソ1の3連発。冒頭のスリリングなバイオリンの完璧な再現に全身に震えが。
う〜ん、カメリアダイヤモンド。とても数曲前にハードロックな曲ををやってたバンドとは思えないね。

12 TENPO:VIVACE
コンチェルトグロッソ2の冒頭曲。安心して聴いていられる安定感。各楽器のバランスがとてもいい。

13 TENPO:ADAGIO
そして2曲目に。バイオリンの方が演奏しはじめた途端に、マウリツオがそれを制止。なぜか、再びコンチェルトグロッソ1のアダージョを演奏。
僕はすっかり???になってしまった。
隣の客の会話を盗み聞きしたら、「時間の都合でリプライズして終わりにしたんじゃないの?」とか言われてたけど、なんだったんでしょうか。

以上でニュートロルスUTが終了。
バンドの演奏力は申し分なく、ボーカルもよく声が出ていて、とても充実感のあるライブでした。
もうお腹いっぱい。今日はこれでいいかな。と、そのときは思ってしまった。

次は、待ってました我らがプー。待望の来日初公演。

1 DOVE COMINCIA IL SOLE
冒頭のSEが会場に響き渡ると大興奮。
そして幕があいた!
ロビーが、ドディが、レッドが目前にいる!!!
その事実だけで、目頭がジーンと。みんなは拍手をしていたけど、僕はただただ呆然としてしまっていた。
ドディのギターが泣き始め、ロビーの声が入る。
最初モニターの音が大きいのか、さかんに裏に合図していたけど、すぐに持ち直した。
さすがに、イタリア最強のロックバンドにしてライブバンド。演奏も申し分なし。みんな声がよく出ていた。

2010年最新作からのシンフォニック大作にして大傑作。
45年もバンドをやってきて、今、この曲を作るのが信じられないし、現役バリバリのロックバンドだということを改めて再認識した。
中盤からの、必殺のドディのギターソロに失神寸前でした。

ちと冷静になると、当初は来日メンバーは、古城ライブのときと同じ6人だと言われていたけど、セカンドギターの人が居なかったね。
最初は期待が大きすぎたせいか、3人が小さく見えたんだけど、楽曲が進むにつれてどんどん大きく見えてくる。

2 L'AQUILA E IL FALCO
続いて、最新作から。レッドの作った男らしい勇壮な曲。3人のコーラス、そしてレッドの歌いだし。古城のライブで何度も見てるけど、ただただ興奮です。

3 ISABEL
そして最新作からの重厚なナンバー。オーケストラアレンジと、ドラマチックな展開に、何度も聞いているけど感心してしまいます。

4 CANTERO'PER TE 〜 IO SONO VIVO
お馴染みのメドレー。ここで、ひろりんを含む一部のプーファンのボルテージは一気に最高潮!
立ち上がりたいけど、みんな立ってないのがもどかしかった。
たたみかけるような演奏に大興奮です。

5 INFINITI NOI
パルシファルからのバラード曲。この曲って、あんまりやってないよね?日本だけの独自かいな。切々と熱をこめて歌い上げるドディとロビー。ドディって歌、相当うまいね。

6 IL TENPO,UNA DONNA,LA CITTA'
古城ライブでも再現していた、今回の目玉、ロマン組曲の最終曲。
レッドのアップライトベースが見えないし、肝心所のギターソロも、セカンドギターの人がいないし、どう再現するんだ!?とハラハラしていたけど、なんなく普段のベースとドディのギターで再現してました。心配して損した!
ひろりんのプー好きを決定付けた、大のお気に入り「ロマン組曲」。これを目の前で本人たちの演奏で見られるこの事実。ロマンですなあ。

7 UOMINI SOLI
90年のサンレモ音楽祭のグランプリ曲。冒頭のドディのギターの艶っぽさといったら!
切々と3人で歌い上げる、おそらくバンドにとっても重要曲。胸をうたれます。

8 VIVA
プーの演奏力が飛躍的に向上したように感じる70年代後半、その時期の代表的インスト曲。ロビーの印象的なキーボードと、ドディのとにかく音数が多いギターソロ。
凄いよ、このバンド。

9 PARSIFAL
そして、おそらく会場がいちばん期待していたであろう、パルシファルの完全再現。
近年してなかったけど、全盛期にもずっと演奏してきたプログレ期を象徴する大名曲。
気高く、そしてただただ美しい。アレンジも、より原曲に近く鉄壁かつ完璧、大満足。
終わった瞬間には、アンコールでもないのに会場が総立ちになった!(プログレフェスでまさかの)

10 ELEONORA MIA MADRE
まさかこれをやるとは!!
ロマン組曲中、もっとも哀愁を感じる楽曲。
繊細なピアノソロも完璧な質感。何度目かの涙腺緩みポイントでした。
こんな繊細な楽曲なのに、なぜか会場は総立ちのままなのがおかしかった。

11 NON CIAMO IN PERICOLO
ライブでは必ず演奏される82年のシングル曲。
プーらしい温かみのあるポップな曲で、いったんメンバーはステージ中央に。
大歓声の中、僕の両手を挙げて手を振ったのに、ロビーが指をさしてガッツポーズをしてくれた(←自意識過剰)。
いったんメンバーは舞台裏に。

アンコール
12 L'ANNO,IL POSTO,L'OLA
パルシファルの冒頭曲。
近年出たレジェンドのDVDで、レッド加入前にすでにこの楽曲が演奏されていたので、「プーにクラシックの要素を持ち込んだのはレッド説」は弱くなっているけど(どうでもいい情報)、レッド歌いだしのこの曲は、やはりかっこいい。

13 TANTA VOGLIA DI LEI
ライブでお馴染み。オペラプリマから。
イタリアのライブでは大合唱が起こるんだけど、さすがに日本では無理。でも僕を含め何人か歌ってたよ。

14 NOI DUE NEL MONDO E NELL'ANIMA
お馴染み、アレッサンドラの2曲目。
個人的には、コンチェルトグロッソと並び、ユーロロック、ユーロポップスの中の重要曲。

15 DAMMI SOLO UN MINUTO
ロマンの誕生より。ライブではお馴染み。
これもイタリアでは大合唱曲で、普段はロビーが客に歌わせるけど、さすがに歌わせなかった。

16 NAASCERO'CON TE
怒涛のお馴染み曲が続く。アレッサンドラから。
レッドの歌いだし、そして必殺の高音大合唱のサビ。
イタリアでみんな歌ってるけど、あんなに高音で歌えるんかいなね。

17 PENSIERO
そしてお約束の流れで、この代表曲。
さすがにこの曲では客に歌わせてた。
ロビーも「ペンシェーロ」って客が言ってくれるか不安だったと思うけど、意外なほど、みんな手を挙げて言っていて、僕もロビーも安心して、そしてこんなにもプーファンが日本に居るんだ!と僕もロビーも胸が熱くなりました。

18 CHI FERMERA'LA MUSICA
そしてラストはこの曲。BUONA FORTUNAから。
ステファーノの卒業ライブDVDのラストもこの曲。あのDVDでも、未来に向けて音楽をやっていくんだ!という前向きのメッセージに涙したけど、きっとまた日本に来てくれるだろうというメッセージと受け取りました。
そのときまで、そしてそれからも、僕はプーの音楽を聴き続けるよ。
前向きに、そしてひたむきに、僕は僕の人生を生きていきます。

そして、幕は下りた。
DOVE COMINCIA IL SOLEのオーケストラバージョンが流れる中、僕は一人、最後までぼーっと座りつくしていたのだ。
posted by ひろりん at 13:02| 愛知 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

ダムの補修

baglioni_001.jpeg今日の1枚。
CLAUDIO BAGLIONI / QUESTO PICCOLA GRANDE AMORE (1972) イタリア

世界各国の音楽を聴いているんだけど、自分の内部にある感情を外に出す表現力においては、イタリアの歌手が最も優れているように思う。そしてイタリアの中でも、屈指の表現者であるのが、クラウディオ・バリョーニだ。1951年生まれで、70年にデビュー。以来、常に第一線で活躍をしてきた国民的な男性シンガーである。本作は大ヒットした表題曲をひっさげた3作目であり出世作だ。

この人の最大の魅力は美声とは程遠いシワ枯れた声だ。心の中から湧き上がる感情を声に投影して、情熱を迸らせながら歌い上げる。そしてそこには、まやかしや冗長さなどを微塵も感じさせないストレートな心の叫びが宿り、聞き手の心をぎゅっと掴む。本音と建前で生きる日本人からみて、羨望と爽快さが入り混じる心地だ。4の感情を抑えきれない静かなささやきが、激情を爆発させる展開になる感情表現の大胆さ巧みさに聞き惚れる。最大の聞き物であり、イタリアの20世紀を代表する名曲のタイトル曲11は、パリョーニのそうした声の魅力を余すところなく伝える名曲だ。

本作でもうひとつ重要なのは、声以外の部分。一聴してわかる派手なオーケストラやキーボードアレンジ、目まぐるしく曲調を変えるせわしない展開だ。72年というと、イタリアプログレの最盛期であり、その影響がモロに出ている印象だ。プログレ系キーボーティストであるトト・トルカーティが参加しているなど、プログレ愛好者にも聞くに耐えるスリリングでいて、やり過ぎなくらいカラフルで賑やかなサウンドになっている。純粋なカウンタトーレとしてのパリョーニファンには、歌以外がうるさすぎると感じるのかもしれないが、この天性の激情的な声質に着かず離れず寄り添うかと思えば、負けずとばかりに盛り上がりについていくストリングスが滅法面白い。

稀代のカンタウトーレと、時代が有機的に結びついた名作。きっと30年後も聴き続けていたい一生の付き合いになりそうな1枚だ。


さすがにパリョーニクラスだと、映像があった!
これが表題曲だけど、アコースティック1本で優しく歌っている。
爆発的に盛り上がる原曲とは雰囲気が違うけど、メロディの良さと味のある濁声の魅力はわかる。
最近のライブ映像だと思うけど、かっこいいおっさんだなあ。

http://www.youtube.com/watch?v=6fZmmlLAL9Y&search=CLAUDIO%20BAGLIONI
posted by ひろりん at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月10日

地中海の伝説

62ff1bd5.jpeg今日の1枚
MAURO PAGANI / Same (1978) イタリア

名盤中の名盤だ。
当時絶頂期にあったPFMを75年に脱退。その脱退の理由は、地中海文化と音楽の探求だったというのだから凄い。2年以上の研鑽を経て、PFMの旧友やアレアのメンバー、カンツォニエーレ・デル・ラツィオのメンバー、ナポリの歌姫テレーサ・デ・シオという信じられないほど豪華な面々と作りだした成果が本作。

本作は当初「ランゴバルドとサラセン」というタイトルになるつもりだったそうだ。ランゴバルドとは、東ゲルマンの一部族で北イタリア王国を建てた民族、そしてサラセンとはローマ人がアラビア人に対して用いる呼称だ。イタリアを中心に、様々は表情を見せる地中海諸国の音楽の技法、イディオムを吸収しつつ、彼なりの解釈を加えたというのが本作の根幹だろう。パガーニ自身は本職であるヴァイオリンやフルートに加え、ブズーキや葦笛といった民族楽器までも器用に操り、本格的なエキゾチックな響きで楽しませてくれる。

しかし本作の素晴らしさは、民族音楽の響きを、プログレ〜ジャズロックのフィールドで再現していることにあると思う。実績のある一流の敏腕ミュージシャンたちが、パガーニの趣旨を理解した上で、高度な演奏を繰り広げる。いや、演奏をぶつけあっているといった方がいいだろうか。そこに生まれる緊張感や、ダイナミズム、高揚感などが尋常ではなく、とてつもない名演の数々だ。パガーニ・プラス・アレア、パガーニ・プラス・ラツィオといった合成も、まるでそれが楽曲の前の必然の編成であったかのように、ピタリとはまっている。また、一聴して存在感のある、故デメトリオ・ストラトスのバルカンボイスも忘れ難い。

本作の邦題は「地中海の伝説」だ。古来から交通の要衝として、文化の交流路として、そして血なまぐさい抗争の舞台として、様々な歴史的変遷を辿ってきた地中海。その生々しい姿を、時代を超えて、そして民族や宗教といった垣根を越えて、現代に活写してみせた傑作。地中海の風土がつくったワインを味わいながら本作を聴きつつ、意識を時空に飛ばすのも一興だ。
posted by ひろりん at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月29日

赤ん坊抱えたボブサップ

41efa8ec.jpegPAOLO RUSTICHELLI & CARLO BORDINI / OPERA PRIMA (1973) イタリア

イタリアの著名な映画音楽家の息子という噂(?)があるセッションミュージシャンとして有名なキーボード奏者パオロ・ルスティケッリと、チェリーファイブのドラマーとして有名な名手カルロ・ボルディーニによるデュオ作。73年というイタリアロック全盛期に発表された名作だ。キーボードとドラムのみで作られたシンフォニック系ロックだ。

本作の魅力は何と言ってもキーボード音の洪水だ。ハモンド、メロトロン、ピアノ、シンセなどを縦横無尽に駆使して、圧倒的な音場を描き出している。テクニカルで洗練されているとは言い難いけど、水平線の見えるような広がりを見せたり、映画音楽のようなドラマを感じさせたり、ジャズっぽい展開になったり、表情が多彩だ。またベース奏者がいないために代わりにアープシンセがその役割を果たしているのだけど、これが楽曲に厚みをもたせるなど曲想をより柔軟なものにしていて、大きな魅力のひとつになっている。ドラムは、イタリアらしい手数の多いドタバタしたものだが、疾走感の付与や場面展開の妙など、文句のつけようがない。

1曲目は名曲中の名曲。疾走感のあるオープニングテーマ、そしてジャズぽい展開、一転、牧歌的な雰囲気になり甘味なピアノの調べが漂い、そして徐々にアグレッシブに展開、最後にまたオープニングに戻る。まるでキーボード音の竜巻が通り過ぎたように、聞き終わった後に唖然としてしまうインスト曲だ。2曲目以降は、あまりいい声とはいえないボーカルが入るが、それでも3、4などはその声を味わいに変えた盛り上がりをみせてくれる。

ELPが切り開いたキーボードロック。そのイタリアでの変亜形。多彩なキーボードプレイに酔いしれる。パオロ、このとき16歳。天才である。
posted by ひろりん at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

時よ止まれ

今日の1枚。

POOH / ...STOP (1980) イタリア

プーの音楽を聞くことは、寺巡りと似ている。

昨年、寺巡りをしていて不思議な気持ちになった。
どこか懐かしく、ほっとできる。
その原因を考えると、寺の昔から変わらない佇まいに、古来多くの人々の悩みを受け止めていた懐の深さを感じるのだ。現代社会の激しい時代の流れ、刻々と変わる価値観、そして移ろいやすい人の心。そうしたものに疲れきった現代人がふと寺の境内に入ると、数百年変わらない建物や佇まいに、ずっと変わらない価値を見出して安らぎを覚えるのだと思う。

そして、同じ感覚をプーの音楽にも感じるのだ。
表層はプログレ調だったりディスコ調だったりしても、常に根底にあるのはたおやかなメロディと聴き手を包み込む優しさだ。心がざわついて眠れない夜も、刹那の逃亡の果ての二日酔いの朝も、心を支配されて上の空の仕事中も、いつでもプーの音楽は変わらず優しく響いてくれる。何も変わらないし、何も解決はしないのだけど、外に振り切れた心を中心軸に戻してくれて、しまいこんでいた笑顔のありかをそっと照らしてくれる。他の人はどう感じるか分からないけど、少なくとも僕にとってプーは、そんな存在であり続けている。

本作は13作目。いわゆるディスコ3部作の最終作にあたる。バンドの人気も勢いの最もあった頃の作品で、当然のごとくいつものように素晴らしい完成度なのだが、本作は頭一つ上の完成度だ。
個々の楽曲をあげてもキリがないので、オープニングの1「愛をこの胸に」を例にとると、ディスコ調のリズムとベースラインをうまく消化し、計算しつくされたアレンジのギターとシンセワークを乗せているが、表面的には、プーらしいほのかな哀愁を感じさせながら盛り上がるメロディを前面にもってきている。各々の楽器パートで4人がそれぞれ力を出し切って、細部まで作りこまれ、4人が均等に目立つが、誰がでしゃばりすぎることもなくさっと退いて、すべての1曲1曲に4人の顔が見える。5では、プログレ時代にお馴染みのフランコ・モナルディがオーケストラアレンジを施すなど、バンドプラスアルファの彩りも本作の魅力を増している。
アレンジの隙のなさでは、プーサウンドの頂点といってもいいだろう。さらに楽曲の出来もアップテンポからバラード、お約束のドラマチックに盛り上がる最終曲と抜群だ。プログレ的な展開、哀愁の旋律、爽やかなコーラスなど、プーの本来の魅力も満載で文句のつけどころがない。傑作だと思う。

Stop・・・時よ止まれ


そんなわけでさらば20代。
posted by ひろりん at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月29日

どう考えてもカプリ島というイメージしか湧かないんですけど

今日の1枚。
POOH / ALOHA (1984) イタリア

17作目。前作はカリブでレコーディングされたが、本作はタイトルどおりハワイでレコーディングされた。
いつもの通り、このバンドらしい爽やかで、ちょっぴり切なさの残る高レベルの楽曲がつづく。ハワイ録音ということだけど、1や3や7で南国風のサウンドを聞かせる部分もあるんだけど、特段ハワイを感じさせるものはない。ちょうど本作の前にロビーがソロアルバムを、後にドディが出すなど、ソロ活動も並行していく中で、イタリア本国から離れたところでメンバーの結束を図った部分もあるのかもしれない。なんとなく、ロビーが中心なのは間違いないのだけど、いつも以上にメンバーの4人の顔が見えるような気がする。一人一人が交互にボーカルを取り、サビを4人のコーラスで締めるというパターンの曲が多く、お互いの個性を生かしながらグループの纏まりを感じさせる。
収録曲は8曲なんだけど、どれが突出しているわけでもなくすべてに高レベル。曲の最初は、突き抜けて明るかったり、甘い雰囲気だったりしても、必ずサビですべて持って行かれちゃう。明るい曲ではサビでちょっと切なく、暗い曲ではサビでちょっと元気が出る、といった具合に聴かせ所がウマイ。さらに、4、5、8などの、「Rotolando Respiran」のようなプログレ的なテクニカルな疾走感と盛り上がりをする曲も忘れてなく、文句の付け所がない。
プーの作品は、特に70年代後半から(現在に至るまで)はずっと同じようなカラーで、とにかく駄作が無いのでどの作品も平均的に良い。本作ももちろんそのポジションだ。イタリアンロック集成には「これといったナンバーがなくて、小休止という感じ」との評があるのだけど、それって変化の無いことへの感覚の麻痺のような気がする。充実順調の1作。
Aloha
posted by ひろりん at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月23日

トイレを捧げられたジョバンナさん、君はいったい何をしたんだ?

今日の1枚。
HUNKA MUNKA / Dedicato a Giovanna G (1972) イタリア

本作ののちに、ディクディクに加入することになる本名ロベルト・カルロットが、フンカ・ムンカという変名でリリースした唯一作。オリジナルジャケットは、洋式便器の蓋が描かれていて、蓋を開けることができるというあまり趣味がいいとは思えない仕掛け。本作以前にフンカムンカが所属していたアノニマ・サウンド・リミテッドのリーダーであったイヴァン・グラツィアーニが、多くの曲で作詞・作曲・オーケストラの指揮で参加していて、貢献度が高いようだ。
くすんだトーンで弾きまくるハモンドオルガン(自ら改造したとのこと)と、癖のある声が特徴の泣きのボーカルが特徴。72年というイタリアプログレ全盛期らしい、ドタバタとしたシンフォニックロックとやや風変わりなポップスという構成だ。メロトロンが響き渡る大仰な展開の4が名曲として有名だが、哀しみをこらえるように力んだ熱唱をきかせる6やメロディアスな歌モノの10もいい。いかにもプログレ的に展開する2や、メロディアス&サイケデリックな5なども聴き応えがあって、アルバム全体を通してバラエティ豊か(悪く言えば散漫)に仕上がっている。
名作だと思うけど、ラブロックやプログレが混在しているため、全体を掴んで見渡すことがなかなか難しい。イタリアロックをある程度聴いてからのほうが、すんなりと作品の良さに気付けるかもしれない。というのも、僕自身がそうだったから。

Dedicato a Giovanna G.
posted by ひろりん at 20:29| Comment(4) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

歓びのプレリュード

今日の1枚。
POOH / VIVA (1979) イタリア

11作目。
毎度ながら高レベルのイタリアンポップスが並ぶが、前作「ブーメラン」と比べると、シンセの音は表情豊かで、ギターもせわしなく動き回り、リズムも多彩で、全体にゴージャス感が増している。前作も大ヒットで、大規模なツアーに出て、その後すぐに世界進出盤である「ハリケーン」(発売は本作後)をレコーディングするなど、長いプーの歴史の中でも、最もバンドに勢いがあって、人気も伴っていたのがこの時期だろう。その勢いが、そのまま本作に現れている。結果、全ディスコグラフィの中で最も売れた作品であり、79年のイタリア年間チャートでは3位になっている。
1曲目が強力だ。力強いリズムに、物凄い音数のギター、そして明解なメロディと、この時期のプーが1曲であらわせる名曲だと思う。3、5、7などいかにもプーらしいメロディの美しさが堪能できる一方でどこか切なさを残す情感も忘れていないし、地中海的な響きをもった6などもありイタリアらしさも忘れていない。そして圧巻は、カナダに演奏旅行した際に原住民との交流を想い出を曲にしたという9と、タイトル曲である10の壮大なスケールのインスト曲。複雑な仕掛けがスリリングに展開していく両曲は、プーのプログレバンドとしての側面を再認識させられる。
ディスコやパンクといった流れの中で古参のロックバンドにとって試練の70年代後半を、これだけの高レベルの作品で締めくくったことが凄い。プーというバンドの実力と、自分たちの音楽性に自信をもっている揺ぎ無い信念を感じさせる1枚だ。

Viva
ジャケもかっこいい。4人の顔には地球を構成する4要素「天地火水」が描かれている。プログレ界ではお馴染み。
posted by ひろりん at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月30日

ハリケーン

今日の1枚。

POOH / HURRICANE (1979) イタリア

世界進出のために全編英語で制作された作品。アメリカ、ドイツ、オランダなどとともに日本でも発売され、独自ジャケだったりイタリア本国版には未収録の9分の大曲「love attack」が収録されていた。今回の復刻では、その紙ジャケも含んで復刻されたが、残念ながら「love attack」は収録されなかった。収録曲は、過去の作品をリアレンジしボーカルを英語に直したもので、「Poohlover」から2曲、「Rotolando Respirando」から5曲、「Boomerang」から2曲の全9曲で構成されている。
イタリア心に根ざしたハートウォーミングなポップスが最大の魅力であるこのバンドを、英語で歌うというのが魅力半減ということは聴く前からわかっていたが、聴いてみてもやはりそのとおり。イタリア語に感じる爽やかな気品が後退して、背伸びしているような気負いを感じてしまうところ。しかしながら、言語に関係のない万国共通であるポップスなメロディはやはり強力。演奏力も申し分ないし、コーラスワークの魅力はそのままなので、もしかして初めてプーを耳にする際には適しているのかもしれない。さらに、アレンジが凝っていて、原曲と比べるとカラフルでゴージャス感が増し、曲によっては迫力が増して新たな魅力が注ぎ込まれているものもある。1曲目でそれが顕著。ハリケーンを思わすホーンセクションなど迫力満点!
同様に世界進出を目論んで英語バージョンを制作して、魅力を半減させたバンコやPFMに比べると聴き所が多くて、「まあ、これもアリかな」と思わせてくれる本作。しかし結果は、やはり世界進出は失敗。この後、何事もなかったようにハイペースで名作をリリースしていくのを見ると、本当に本気で世界進出を狙っていたのか?という疑問は残るところ。まあ、もしアメリカで大ヒットしていても、26年後のカトリーナ騒ぎでレコード破棄運動がおきていたかもしれないが・・・

ハリケーン(紙ジャケット仕様)
posted by ひろりん at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月10日

フローリアン

今日の1枚。今日は眠くならずにいけるか?

LE ORME / FLORIAN (1979) イタリア

11作目。後期を代表する名作。
オルメというと、一時期ギターリストが加入した時期もあったけど、ELPタイプのキーボードを中心にするスタイルが基本なんだけど、本作では3人に加えてヴィブラフォン、マリンバ奏者(らしい)Germano Serafinがメンバーにクレジットされ、パッウリカはアコースティックピアノ、アルドーはチェロとヴァイオリンを中心に操るなど、アコースティックアンサンブル中心というそれまでのイメージを一新するスタイルに変貌した。
緊張感は微塵もないとても穏やかな楽曲群。オルメの最大の魅力は、アルドーの味わい深いボーカルにあると思うんだけど、このボーカルが、今回の穏やかな雰囲気と実によくマッチする。世界的な成功を目指したアメリカ時代は言うにあらず、名作群を作りだしたプログレ期でさえも背伸びをしすぎていたと思えるほど、本作では無理のない等身大の姿で良質の音楽を提示してくれる。こういう優しくて美しい音楽こそ、彼らのイメージにぴったり。そのことに気付いて、作品の質をここまで昇華させるには、いろんな遠回りがあったからこそなんだろう。彼らの音楽性の到達点といってもいいと思う。
イタリアの穏やかな陽光のような、優しくたおやかな音楽。あまりの心地よさは、実際に過去2回ともレビューを忘れて眠りに落ちてしまうほど。心がガサガサしているときの沈静剤にもいいです。

名作度 8 
聴き込み度 7
気に入り度 8


Florian
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2005年05月07日

デオキシリボ核酸

JUMBO / DNA (1972) イタリア

2作目。
バッティアートらが参加した3作目がイタリアロックの名盤ということもあって、やや印象の薄い本作。遺伝子操作をモチーフにしたコンセプト作。
イタリアでブルースをやろうと本気で思っていたというリーダーのアルバート・フェッラのアクの強い濁声を中心に、ピアノやフルートなどを絡めてプログレ風を装い、強引に突き進んだかのような、荒削りな印象。気品や美しい旋律はあまり見当たらず、泥臭い雰囲気だ。72年というイタリアプログレ全盛期のシーンの中にあっても、かなり異端な存在だ。フルートが動き回り、せわしなく曲調が変化していくので、ジェスロタルに近いといえるか。
どうも、この手のヒッピーな雰囲気は苦手だ。ブルースに根ざしたボーカルも、イタリア語と相性がよいとはあんまり思えない。そんな中で、力みながらドタバタと突き進むバックの演奏はなかなか面白い。1曲目の20分におよぶ大曲は、迫力のある演奏と強引な場面展開で問答なく引き込まれる。

名作度 4 (あんまり評価をみたことない)
聴き込み度 5 (最近少し)
気に入り度 5 (けっこう聴けるようになってきた)


DNA
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2005年05月05日

GREENWALL

今日の1枚。
GREENWALL / From The Treasure Box (2004) イタリア

3作目になるらしい。
最初に言ってしまうと、近年のシンフォニックロックの名作になるであろう傑作。バンドはツインキーボードに女性ボーカルを含む6人組で、フルートなど多数のゲストを参加させて、ジェネシスタイプのファンタジー要素の強いシンフォニックロックを奏でる。6曲の小曲と26分の大曲というプログレの王道ともいえる構成。
まるで、70年代のシンフォニックプログレのいいところをおもちゃ箱に詰め込んで、ずっと後になってからひっくりかえしたかのような、懐かしい音触り。しかし、巧みに打ち込みや、イタリアらしい盛り上がりを組み込んで、極上の発酵に至っている。間違いなく現代のバンドなんだけど、70年代のバンドにしか持ち得ないと思っていたオーラまでも身に付けているように思える。
楽曲がすべてよくて、ジャズ的な展開や、シンフォニックらしい広がりのある展開も十分。静と動の対比もばっちりで、演奏力も申し分なく、緊張感もある。26分の大曲で、多少無理に曲を長くしているような面が気になるけど、それでもゆっくりゆっくりとクライマックスに向かって進んでいく曲調は聴き応えがある。
とにかく、内容のよさにびっくりしてしまった。欠点を無理に探すなら、毒がないところくらいだろうか。ジェネシス、ルネッサンス、キャメルなどが大好きな人(僕のこと)は、間違いなく気に入ると思う。
ちなみに、ジャケットのデザインは、ハリーポッターのイタリア版のイラストを担当したデザイナーだそう。

名盤度 ?(まだ知る人ぞ知るくらいの認知度しかない?)
聴き込み度 7 
気に入り度 8 

greenwall
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2005年02月27日

マス・メディア・スター

ひきつづき見ている韓国ドラマ「ガラスの靴」は17話で停滞中。
今回はレンタルで借りてきて見ているんだけど、7巻目がいつ見ても貸し出し中のまま。
う〜ん、これだからレンタルは嫌なんだ。
こんなに面白いならボックスを買ってもよかったなあ。

(見るものがなくてしょうがないから)今日の1枚。
ACQUA FRAGILE / Mass Media Stars (1974) イタリア

レコード会社をリコルディに移してファーストアルバムに引き続き、PFMがプロデュースした2作目。
基本的にはファーストアルバム同様、ジェネシスやジェントル・ジャイアントの影響下にある音作りがなされているが、楽曲の構成は複雑になり、捉えどころのない展開が多くなった。このグループは、歌詞は英語ということでイタリアらしさはもともと薄いんだけど、西海岸風の多声コーラスが全編に渡って現れるなど、無国籍ロックな風情がより強くなった。
テクニカルさと構成の緻密さを共存させた上でより明解に提示するといったプログレのいい部分を抽出して新世代のロックを俯瞰しているといえるかもしれない。ただ本作は、僕はちょっと苦手。イタリアロックにはブリティッシュロックには感じることのできない「明るさ」があって大きな魅力なんだけど、(特に)本作で感じられる明るさは地中海の陽光ではなく、ガラス張りの温室内のような手の加えられた明るさのような気がする。やっていることは一流なんだけど、なんか損をしているような印象。実は、その印象は本家のPFMにも感じているんだけど・・。
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2004年12月19日

プー・ラヴァー

MLBニュースをチェックするのが日課だが、ここ数日ショックが重なった。
アスレチックスの3本柱、どの投手もそれぞれに個性があって凄くて投げるたびに注目していたんだけど、ハドソンはブレーブス、マルダーはカージナルスへとあっさりトレードされて投手王国が崩壊してしまった。
今期はFAでもないので、来期もマリナーズ戦で投げる3本柱が見れるなあと思っていたんだけど。
特にハドソンの投球は毎回見応えがあって、強打者になればなるほど投球レベルが上がっていくのに、勝敗を超えた野球の面白さを見せてくれていた。
ジトは、あのドロンとしたカーブが人を食っているようで、あまり好きではないんだ。

ペドロのメッツは意外。
ランディ・ジョンソンのヤンキース入りはやっぱり。でも、全盛期のバスケスを手放すのは得策ではないと思うんだけどなあ。

今日の1枚。
I POOH / POOHLOVER (1976) イタリア

9作目。アレンジは引き続きフランコ・モナルディだが、プロデュースはバンド自身となり新たな方向を模索しはじめた。
前作までといちばん変わったのは、音にバンドらしさが加わった点と、メンバーの顔が見えるようになってきたということだろうか。特にロビーの特徴的なボーカルを全面に出して、以降作のいわゆるプーらしい音が現れ始めた。まだ、控えめながら美しいオーケストラも残っていて、楽曲に彩りをそえている。美しいコーラスと甘いメロディはアレッサンドラの頃よりも洗練されていて、どの曲も素晴らしい。3は名曲バラード、憂いを湛えつつ盛り上がっていく5、もの哀しくも美しい流れるようなメロディの6、優しさに満ちた8と、ハイライトの大曲的盛り上がりの10と佳曲揃いだ。
複雑に作り込まれた作風からの脱却が見事な快作。本作あたりからこのバンドに触れれば、プログレ時代にもポップス時代にも見通しがきいていて、バンドの全体図を把握しやすいように思う。
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2004年12月17日

ミラノの騎士

つい魔がさしてドラクエを買ってきてしまった。

今日の1枚。
I POOH / FORSE ANCORA POESIA (1975)

8作目。邦題は「ミラノの騎士」。「オペラ・プリマ」からのプー最初の黄金期を支えた、ジャン・カルロ・ルカリエッロのプロデュースと、フランコ・モナルディのアレンジという体制での最終作。中世の気品の漂うオーケストラの導入が聴けるのは本作が最後である。
前作「ロマン組曲」までの壮大なトータル性を持った作品群と比べると、一聴して地味な印象。ただメロディのよさが素直に響いてくる小曲がこれでもかと並び、全体として美しい印象を与える。オーケストラを配した曲は2、4、5、6、8、10といったところだが、個人的な感想では「ロマン組曲」の余り曲といった気品に満ちた雰囲気だ。それ以外は、バンドの演奏のみで、オーケストラアレンジを施す前の姿や、後のプーのスタイルの原型ともいえる姿を見せる。そういった意味でルカリエッロからの自立のための準備作といった趣で、過渡期的な性格をもっている作品だといえる。英語の歌詞の3など、冒険的なことまで挑戦している。
中世的な気品に満ちた哀愁感を全体から感じられるのは本作まで。「ロマン組曲」を頂点にした初期プーの残り香。最終曲のオーケストラが消え入る瞬間は、同時に新時代の幕開けなのである。
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2004年12月04日

Ascolta Tour Live 2004

来たー。
プーの今年行われたツアーの様子を収録したDVD2枚組。
最近ではフェイバリットアーティストになってしまっているんだけど、演奏している姿を遅ればせながらはじめて拝むことができた。
冒頭の「アスコルタ」のイントロが流れた瞬間に号泣してしまった。
「アロハ」のDVDはPVだけなんで、演奏するプーの4人にとにかく震えた。
噂には聞いていたけど、みんな演奏が上手くて、そして歌がうまい。特にドディのギターは聞き惚れた。
そして何より選曲が凄いの何のって。全41曲130分、40年のキャリアから満遍なく選曲されているんだけど、いつの時代でもいい曲ばっかり。
特に初期の「愛のルネッサンス」やROTOLANDO RESPIRANDOのタイトル曲では、全身に鳥肌が立った。
物凄い数の観客の盛り上がりも凄くって、大合唱の「ペンシェロ」には転がりました。
いや、参った。贔屓分を差し引いても、これだけ密度の濃いライブ盤はちょっと見つからない。
ひろりんアウォード2004の大賞に決定でもいいや。こんなライブ映像を見られるなんて幸せだなあ。
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2004年12月01日

土曜日の午後

今日の1枚。
CLAUDIO BAGLIONI / SABATO POMERIGGIO (1975) イタリア

6枚目。癖の強い濁声で、(おそらく)日本語に訳すと恥ずかしいであろう歌詞を熱唱するパリョーニだが、70年代の本作くらいまではプログレッシブロックの影響を受けた名作を残している。本作はコンチェルト・グロッソでお馴染みのルイス・エンリケ・バカロフがアレンジャーとして参加した有名作。
バカロフのアレンジは、4の名曲「ポスター」で感情を抑えきれないオーケストラの盛り上がりを見せてらしさを発揮しているが、それ以外はパリョーニのスタイルとアルバム全体のトータル性を重視したアレンジがなされていて裏方としては最良の仕事をしている。控え目なオーケストラと哀愁を感じさせるピアノの響きは、作品に質感を高めてているし、「傑作」のオーラを放出しているかのようだ。ただ、もちろん主役はパリョーニの胸を焦がすような熱唱だ。本作は特に美しいメロディの曲が多く、情熱や切なさといった言葉にするのもためらうような要素がいっぱいに詰まっている。この感覚は、大映の青春ドラマか、韓国ドラマか。特に後半の展開が素晴らしく、イタリアで14週1位になったタイトル曲で大団円を迎えるまでの哀愁と情熱が織り成すドラマの展開は筆舌にしがたい。
とまあ、無理にレビューらしきものを書いているが、理屈なしに「好き」だと言える1枚。こんな作品があるから、イタリアという国が好きなんだな。


Sabato Pomeriggio
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2004年11月30日

月に疲れたピエロ

グリーンリーフレタス出荷中。

今日の1枚。
PIERROT LUNAIRE / Gudrun (1977) イタリア

鬼才アルトゥーロ・スタリテッリ率いるピエロ・リュネールの3年ぶりの2作目。前作からヴィンチェンチオ・カポラレッティ(gなど)が脱退し、英国人の女性ボーカル・ジャクリーン・ダービーが加入した。12音技法を確立したシェーンベルクの代表作「月に憑かれたピエロ」に由来するバンド名のとおり実験的な香りの強い作品。北欧神話をモチーフにしたトータル・コンセプト作らしい。
イタリアで実験的と女性ボーカルといえばオパス・アヴァントラだが、こちらは高貴な気品はがやや後退しているがその分だけロック寄りである。ピアノとオルガンを中心に、チェンヴァロ、リコーダー、ヴァイオリン、マンドリン、バンジョーなど様々な楽器を用い、サウンドコラージュの散りばめられる空間で次々と繰り広げられる実験的な音楽が、ときに美しさや哀愁の戦慄を絡めながら流れるように展開していく。テンションはそれほど高く、個々の要素を注意深く吟味して繋げていったような感じで作りこまれている。そしてその要素のひとつひとつは、反復音楽、無調音楽、不協和音といったものの他に、クラシックの要素やオペラといった美しい旋律も盛り込まれ、けして前頭葉だけの音楽にはなっていない。ノイズの絡む中で、マルティーニの「愛の喜び」が歌われるなど、遊び心のような余裕さえみせる。
アヴァンギャルドな現代音楽なのに、どこかドラマ性も感じさせるスケールの大きな作品。勢いと時代が作った名作ではなく、入念な計算のもとに生み出された必然的な名作だと思う。


Gudrun
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2004年11月29日

ブロンゾ

今日の1枚。
IL BALLETTO DI BRONZO / YS (1972) イタリア

ジャンニ・レオーネが加入した2作目。イタリアンロック界に燦然と輝く名作中の名作。タイトルの読みは「イプシロン・エッセ」と長いこと読まれてきたが、最近になって「イース」と読むことが判明した。
新加入のレオーネの多彩なキーボードを中心にしたヘビー・シンフォニックといったところだが、あまりに個性的なサウンドは比較対照皆無の独創的なもの。怪しげな女性スキャットからはじまるサウンドは、迷彩色のキャンバスを鋭利な刃物で切り刻むように刻々と表情を変え、キーボード、ベース、ドラム、ギターともに異常ともいえるテンションを伴って、絶頂に向かって突き進んでいく。クリムゾンも取り入れた12音階技法の導入による不可思議な旋律、感情剥き出しの激しいインタープレイ、暴力的ともいえる突発的な方向転換、破天荒なパートソロなどが、次々と展開していき、これでもかというくらいに押し込まれて化学変化を起こしている。さらに神秘や狂気といったベールにも覆われて、定置の定まらない聴き手の不安を煽る。まるで、何が飛んでくるかわからない土砂降りの大嵐の中を突き進んでいる感じだ。
ハードかつアヴァンギャルドな変態ロック。革新的とは言えず、どこかクラシカルな雰囲気すら漂うが、プログレッシブロックの真髄のような胡散臭い高尚さが満点だ。オパス・アヴァントラがイタリアの至宝なら、ブロンゾはイタリア裏ロックの秘宝といったところか。


Ys
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2004年11月28日

チェルベロ

露地セロリ出荷中。
猛暑と相次ぐ台風で当然品質は悪い。


今日の1枚。
CERVELLO / Melos (1973)

オザンナのダニロ・ルスティッチの弟であるコラード・ルスティッチを中心に結成されたバンドの唯一作にして、イタリアンロックを代表する1枚。ギリシア神話をモチーフにしたコンセプト作。
オザンナのダニロとエリオ・ダーナがプロデュースも担当しているということで、「パレポリ」の呪術的な色彩など似通ったカラーを感じるが、より艶かしく異教的な匂いが強い。最大の原因は、通常イタリアンロックには不可欠なキーボードやメロトロンなどの鍵盤楽器がまったく使われていなく、電子サックスやフルート、リコーダーなどがその役割を担っていることにあると思う。特にサックスの、テーマリフを重厚に決めたり効果的な背景音などのメロトロン的な使われ方や、フルートの無数のピロヒャラピロヒャラとした響きなど、ピッチが一定のキーボードでは出ない不安定さが肉感のよさなど繋がっていて、まるで蜃気楼が実態になったかのような艶かしさを感じる。「パレポリ」が夢の異世界だとすれば、こちらは白昼夢のように現実との接点が曖昧だ。
また、イタリアらしい歌心に根ざしたボーカルも素晴らしく、破綻しそうなくらいにテンションの高いバンドアンサンブルの中で緩和剤的な役割で曲を引っ張っている。そしてコラードのギターは、テクニカルな早弾きや本能にまかせた呻きのようなノイズなど、様々な表情を見せて目が離せない。ドラムもジョン・ボーナムのように音圧がありながら、変拍子やシンバルワーク、曲展開にあわせたスティックさばきなど器用なところを見せている。
ムゼオやブロンゾと並ぶヘビー・シンフォニックの傑作。個人的にはオザンナよりもダークな美意識が凝縮されて全面に出ているようでお気に入りです。


Melos
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2004年11月23日

Pooh Ascolta Tour Live 2004

自分のためだけの新譜情報。

プーの最新ライブDVDが11月26日に発売だそうだ。
今年8月のツアーの様子が中心のようで、190分、全41曲の大ボリュームになるそうな。2枚組。
もちろんPALだが、僕には無関係なのは証明済み。
日本入荷はいつになるのだろうか。
ひろりんアウォードに早くもノミネート。
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2004年11月02日

ヌーヴォー・イデア

やっぱり楽天か。
実は両者認めないんじゃないかと思っていたんだけど。
ライブドアの株価は持ち直すだろうね。

今日の1枚。
NUOVA IDEA / Clowns (1973) イタリア

アリストンレーベルに3枚の作品を残したヌーヴォー・イデアの3作目最終作。後にニュートロルスに参加するジョルジオ・ウザイの多彩なキーボードを中心にしたバンド。本作には同じくトロルスに加入するギター奏者リッキー・ヴェローニも参加。
いかにもイタリアンロック全盛期を駆け抜けたバンドらしく、メロトロン、ハモンド、ムーグが響き渡り、ドタバタとしたリズムでカラフルでドラマチックなシンフォニックロックといった体裁。ボーカルが高音のハードロックタイプの熱唱系のためかユーライア・ヒープあたりとイメージがダブるが、歌心に溢れたメロディラインは間違いなくイタリアのものだ。次々に展開していくスリリングなバンドアンサンブルも聴き応えのあるもの。静かなパートから音量を上げて盛り上げて畳み掛けるように収束する瞬間も安心して聴いていられる安定感だ。
一級品とはいえないけど、イタリアロックの特徴を備えた好作。多少個性に乏しいんだけど、欠点も特に見当たらず期待を裏切らないんだからもう少し評価されてもいい作品だと思う。ただ、現在手に入るデジタルリマスターされたCDの音質が相当に悪い。原盤が悪いんだろうか。
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2004年11月01日

ID

リトルフィートは本当に縁が無い。
リトルフィート好きの友人なんていなかったし、雑誌で特集を組まれることも少なくて本当に縁遠い。
ディキシーチキンくらいは、聞いておきたいと思ってるんだけど。
まだまだ知らないバンドがいっぱいあるなあ。

今日の1枚。
EQUIPE 84 / ID (1970) イタリア

60年代の初頭にモデナで結成されたイタリアでも最古参のバンドの一つ。もともとはストーンズなどの英米のロックをカヴァーするなどオーソドックスなビートグループだったようだが、英米のプログレ/サイケに影響されたであろう1枚が本作。イタリアプログレ黎明期の代表的な1枚。ドラムは後にPFMに参加するフランツ・ディ・チョッチョ。
基本的にはそれまでのメロディアスなビートロックの楽曲にプログレテイストが加わるという感じだが、未成熟なままのメロトロンや弦楽器、バタバタとしたインストパートと、試行錯誤しながら新しい音を模索している姿が初々しい。温かみのあるメロディにのせて、イタリアの田舎をポンコツ車でガタガタと走っているような光景が目に浮かぶ。スタイルとしてはまったく完成されてはいないんだけど、人間らしさや人懐っこい表情が印象に残る。
イタリアらしい血のたぎるような情熱や哀愁といった要素は薄いんだけど、1曲目の摩訶不思議なオープニングの何かが起こりそうというような予感は、輝かしい70年代イタリアンロックの先兵の役割をはたしているようだ。フォルムラ・トレ登場のような衝撃度は皆無だが、イタリアロックの変遷上、ディクディクの「洗濯女」とともに重要な位置にある作品だと思う。


Id
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2004年10月30日

SUSANNA PARIGI

あめだったので、一日静養にあてた。

今日の1枚。
SUSANNA PARIGI / In Differenze (2004) イタリア

すでに各所で絶賛されているカンタウトリーチェSUSANNA PARIGIの3作目、最新作。もともとはパリョーニやコンチャンテのツアーメンバーとして活躍していたらしい。プロデュースはデビュー作からの付き合いの、イル・ヴォーロなどでお馴染みヴィンチェ・テンペラ。
多少癖がありながら、表現力が豊かでどんなタイプの音楽でもドラマチックに歌い上げる一流のヴォーカルと、エキゾチックさとエレガントさを振りまき楽曲に虹色の色彩を描く一流のアレンジがとにかく素晴らしい。ブルガリアン・シンフォニー・オーケストラを起用し、高貴で質感の高い格調の高さも身に纏い、イタリア伝統の哀愁を散りばめて、情感豊かにドラマを紡ぐ。けして感情の垂れ流しではなく計算された哀愁感だが、その想いは深い思慮を感じさせる重さを感じさせ、時代という時の流れで風化されないであろう普遍の輝きを放っているようだ。
かすれ気味のハスキーなヴォーカルが、実に魅力的で圧倒的な存在感。大技小技を絡めて作りこまれ、細部まで彼女の想いが宿っている。渾身の1枚。これを超える作品を作るのは大変だと勝手な心配をしてしまうほど。イタリア音楽史に残る傑作になると思う。


susannna1
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2004年09月07日

汚染された世界

ぴったんこカンカンに、クイズは要らないと思う。

今日の1枚。

IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA / Contaminazione (1973) イタリア

コンチェルト・グロッソでお馴染みルイス・エンリケ・バカロフをプロデューサーに迎えたロヴェッショ・デッラ・メダーラの3作目にして有名作。ドタバタとしたイタリアンロックと、バロック調のオーケストラの融合作として名高い。邦題は「汚染された世界」で汚染された世界への嘆きを、バッハの曲をモチーフにして表現しているようだ。75年には英語盤も作られた。
オーケストラとの共演だが、壮大なクラシカルロックといった感じではなく、クラシカルな旋律をもった典型的なイタリアンロックスタイルの楽曲にオーケストラをうまくもぐりこませているといった感じで、オーケストラ音の自己主張はあまり強くない。だが、スリリングかつドラマチックに展開する楽曲にふっとオーケストラやバイオリンが響き渡る瞬間は鳥肌がたつほどにかっこいい。少々ごちゃごちゃしていて、もうすこし整合感があった方がいい感じもするけど、ロックの持つダイナミズムや何が飛び出すか予測不能のイタリアンロックの闇雲さなどは十分に感じることができ、満足度は高い。イタリアンロックの黄金期を象徴する名作の1枚だろう。





汚染された世界(紙ジャケット仕様)
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2004年08月26日

パラダイス銀河

今日の1枚。
METAMORFOSI / PARADISO (2004) イタリア

イタリアの70年代のヘビーシンフォニックバンドでダンテの神曲をテーマにした「インフェルノ」でその名を轟かすメタモルフォッシ、なんと30年ぶりの新作。しかもテーマはinferno(地獄)の続編ともいうべき、paradiso(天国)。Davide Spitaleri(vo)とEnrico Olivieri(key)のオリジナルメンバーを中心にした再結成だ。
「インフェルノ」といえば、圧倒的な量のキーボード音の洪水とオペラのようなバリトンヴォイスが絡み、めまぐるしく表情を変えていくのが魅力だったが、さすがに30年も歳月が過ぎれば多少は洗練されて落ち着いた音になっていると思いきや、これは間違いなくあのメタモルフォッシの音。最初の低音のボーカルが聴こえた瞬間に、時の流れの感覚が失われてしまった。キーボード群の音は、さすがにトーンも安定していて機材の進化を感じさせるが、相変わらずの音の密度と無数の音色で、次々と展開していく。今回は「地獄」ではなく「天国」がテーマなので、闇雲さや邪悪な表情は後退して、神聖さや天上界を思わせるきらびやかさなどが全面を覆っているが、クラシカルな旋律の八方破れの展開が一気に収束に向けて畳み掛けられる瞬間は、70年代イタリアプログレの感触そのもので興奮の瞬間だ。
素晴らしい再編作。メンバーは随分な年齢だと思うが、緊張感もあるし実にエネルギッシュ。ファンが実はあんまり期待していない新境地などよりも、こういう続編を当時の雰囲気の延長で聞かせる方がいいね。


Inferno
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2004年08月02日

エッフェ・エッセ

今日の1枚。

NEW TROLLS / FS (1981) イタリア

中期の傑作と名高い通算11作目。ワーナーから古巣であるフォニット・チェトラに復帰。メンバーはウザイとダダモが抜けてニコ、スカルツィ、ジャンニ、リッキーの4人。「FS」とはイタリアの国鉄のことで、ジャケットのマークをつけた鉄道がイタリア国中を走り回っているそうだ。イタリア国鉄に乗って旅をしつつ各地の停車駅で起きるドラマを見聞していくというコンセプト作品。
発車を予感させるSEとともに幕を開けるオープニングから、曲毎に表情を変えて展開していく。大きなコンセプトだが、1曲ごとにドラマがあり、それぞれに完結してしているようで、聴き応えがある。演奏は、力強くもシャープな印象で、緊張感を放出しながらも安定感を感じるレベルの高いものだ。女性を含む複雑かつ表現力に満ちたコーラスがほぼ全面を覆い、シンフォニックな雰囲気を漂わせる。プログレテイストを残した、ポップスロックという感じだが、媚を売るようなわざとらしい明解さは無いし、かといって難解な雰囲気もない。エキゾチックなフレーズを仄かに匂わすなど、70年代を生き抜いたベテランバンドならではのしたたかさとポテンシャルの高さは、さすがの一言だ。
よく作りこまれていて、核となる曲(1、3、5、7かな)も名曲揃い。闇雲さはないけど、ドラマチックかつ華麗な感情の盛り上がりはイタリアロックの魅力そのままだ。ニュートロルスそしてイタリアンロック、円熟の1枚。


Fs
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2004年07月26日

トロと旅

マグロの中トロと大トロのブツ切りが手に入った。
相当うまい。
口の中でとろけるからトロだっけ。


今日の1枚。まさか、フォルムラ・トロ?
FORMURA TRE / Dies Irae (1970) イタリア

イタリアを代表するグループ。ルチオ・バティスティのヌメロ・ウーノからデビューし、イタリアロックの黎明期から黄金期を駆け抜けた。メンバーは、ギター&ボーカルのアルベルト・ラディウス、キーボードのガブリエーレ・ロレンツィ、ドラム&ボーカルのトニー・チッコ。ここは暗記箇所。
作品を重ねるごとにシンフォニックになっていき遂にはイル・ヴォーロに到達するが、本作で聴かれる音は洗練さとは程遠い粗暴なものだ。重くヘビーなギターが唸りを上げ、トーンの低いキーボードが地を這いずり回り、重厚だが落ち着き無くドタバタするドラムの3者が入り乱れる。どこかサイケデリックな匂いもし、ヴァニラ・ファッジやジミ・ヘンのようなアートロックを連想するが、ふっと入る人懐っこいメロディや絶妙な女性ボーカルなど纏まりの無い展開はイタリアらしいと言えよう。その中でも出色は1曲目。冒頭のイントロは、イタリアロックの夜明けを高らかに宣言しているかのように、沸々と沸き立つ情熱と同時に神々しさを湛えている。
ほとんどの曲をバティスティとモゴールが手がけていて、当然彼らのコントロール下にあるわけだが、鈍く光るダイヤの原石の輝きは隠せるべくもない。情熱と勢いに満ちたデビュー作。トレと共に、イタリアロックは進化してゆく。
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2004年07月24日

悲愴

バーべキュー。
釣って来たカツオを丸ごと一匹、目の前でさばいて、ちょっとあぶってタタキが出来上がった。
数時間前まで太平洋を泳いでいたんだから、まずいわけはない。
あと、カツオのハラミ?、とろけるような美味さだった。
カブト焼きも出てきて、目の裏がこれまた美味。
幸せなひとときだった。
肉、食い忘れた。


今日の1枚。
CAPSICUM RED / appunti per un'idea fissa (1972) イタリア

プーのレッド・カンツィアンが在籍していたバンド。うにょうにょとしたフレットレスベースがトレードマークのレッドだが、このバンドではリードギターとボーカルでバンドのフロントに立っていたようだ(多少疑義あり)。作品は1枚のみだが、ボーナストラックで聴ける以前出していたシングルはポップスグループ然としたものだったのに対し、本作ではベートーベンのピアノソナタ第8番「悲愴」のロックアレンジを含み、プログレフィールドで評価されうる作品を作り上げた。
本作の後プーへ加入し気品とロマンに満ちたクラシック融合作「パルシファル」を作り上げる要因は、レッドの加入によるところがあると思う(多少疑義あり)が、本作では演奏も雑で雰囲気も沈みこんでいて優雅な色彩はない。クラシックのロックアレンジとはいっても、静かにメロディをなぞるオルガンなど、原曲のイメージを損なわない程度の加工で、派手なクラシックアレンジに慣れた耳にはやや退屈でインパクトに欠けるところ。とはいえ、朽ち果てた教会で演奏しているような、枯れたロマンティシズムは、侘び寂びの境地すら漂う。こういうのは盆栽を本気で愛するレッドの趣味と繋がってしまうのが面白い。
時折、ふっとハードになったりするのは、地だろうか。一級の名盤と比べるべくもないが、イタリア黄金期を象徴するような1枚ではある。

Appunti Per Un'Ide
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2004年07月21日

コンチェルト・グロッソ ライブ

甲府は40℃らしいね。

今日の1枚。
VITTORIO DE SCALZI (la storia dei NEW TROLLS) / Cncerto Grosso Live (2001) イタリア

ニュートロルスの実質的なリーダーである、ヴィットリオ・デ・スカルツィによる、名曲「コンチェルト・グロッソ1.2」をオーケストラを従えての再演を中心としたライブ盤。もともとは新聞社の読者のみに発売されたものだが、やっぱり正規に発売。しかも日本盤まで出た。ソロ名義だが、実質的には現在のニュートロルスといってもよく、日本盤ではアーティストクレジットは「ニュートロルス」と堂々と謳ってある。ちなみにライナーによると、ニコは事故にあってしまったみたいでもうギターを弾けないそうだ。
30年の時を越えて再現される「コンチェルト・グロッソ」。最初に聴いたときの、何だか分からないけど美しくて凄い!といった感動が呼び起こされ胸がいっぱい。冒頭の指揮者が棒でトントンとやるところまでしっかり再現されているのにニンマリさせられる。ほぼ完璧な再現で、細部までしっかりと音が詰まっている。演奏もこのバンドが悪いわけはなく、オーケストラと一体となった息のあったコンビネーションを見せ、安心して聞いていられる。唯一の不満は、やはりニコの不在。コーラスなどで穴は埋めてあるが、あの高音ボーカルがココぞというときに出てこないのが寂しいところ。
1の方は、どちらかというとノスタルジーを感じさせるもの。懐かしい旧友に会ったように、一瞬で昔に戻れるようだ。昔話に花咲く楽しいひと時。ただ、やはりお互いの容姿を見れば時の移ろいは無視しようもなく、現在と過去が並存している感じ。一方2の方は、現在進行形のように生き生きとしていて
懐メロといった雰囲気はなく新鮮ささえ感じさせる。2の方が曲が完成されて洗練されているというのが、比較により明解になった。
「コンチェルト・グロッソ」の脇を固める曲は、変態ポップスのお馴染み「ル・ロワ・ソレイユ」から、60年代のマイナー曲など選考基準がよくわからない小曲が並ぶが、どの曲もオーケストラがいい響きをしている。コーラスワークの緻密さも相変わらずだ。30年も信頼のできる活動をしてきているニュートロルスからの贈り物。リアルタイムで受け取れたことが嬉しい。


コンチェルト・グロッソ・ライヴ
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2004年07月20日

イル・ヴォーロ

今日の1枚。

IL VOLO / Same (1974)

フォルムラ・トレのラディウス(G)とロレンツィ(KEY)、カマレオンティに在籍したマリオ・ラヴェッツィ(G)、ジガンティに在籍したヴィンチェ・テンペラ(KEY)、リベッリのジャンニ・ダラリオ(D)、セッションプレイヤーのボブ・カレロ(B)と、イタリアのロック界を支えてきた男たちによるスーパーグループ。
ツインギターにツインキーボードという編成を生かした胸のすくようなスカッとしたロック。メンバー全員が名うてのプレイヤーながら、エゴを突出させるようなことなく楽曲に殉じる。にも関わらず、それぞれに持ち味を発揮しており、とても完成度の高いものになっている。一聴して感じる時代的なフュージョンテイストの裏では、高度な演奏技術と変幻自在な楽曲構成が一体となり、圧倒的なテンションの高さを伴って激流のごとく押し寄せる。かなりの音楽的な情報量のはずだが、それがすっきりと整理され、洗練された印象さえ漂わせるところも尋常ではない。まるで無駄な体脂肪の無い短距離ランナーのようだ。セカンドと違いすべてボーカル曲だが、ダイナミックな演奏に飲み込まれ、楽曲の構成物としての存在感に追いやられているのも凄い。
ジャケットに描かれる少年の目に映っているのは世界。ワールドワイドな成功を目指してイタリアロック界の持てる力を結集したという感じだろうか。結果はどうあれ、それだけのポテンシャルは十分に秘めていたと思う。ユーロ族の誰もが太鼓判。30分と短いが、長くダラダラやればいいってもんでもないし、こんなものを70分も聴かされたら感動処理能力がパンク。イタリアンロックの到達点のひとつだろう。文句なく傑作。

イル・ヴォーロ(紙ジャケット仕様)

ちょっと前のCDはセカンドとの2in1だったっけね。
あれはちょっといただけない。
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2004年07月07日

アルファタウラス

オーディションに行く。
「年齢が年齢だから、アイドルは無理だねえ、まあお笑いくらいだね」と言われる。
「君はボケかツッコミか」と言われて、「ツッコミです」と答えたら、「君はボケだね」と狙い通り突っ込んでくれた。
そんな夢を見た。

今日の1枚。
ALPHATAURUS / Same (1973) イタリア

magmaレーベルのカタログナンバー1番。平和の象徴であるはずの鳩の体から爆弾が投下され街を空爆しているという3面開きの凝ったジャケットなど、古くからコレクターズアイテムとして高価に取引されていたらしい。
バンドはギター・ベース・ドラム・ボーカルに、ビブラフォンやチェンバロも扱うキーボードの5人組。音楽的なイニシアチブをとっているのはキーボードらしく、ハードロックな展開をうまくシンフォニックに手繰り寄せてバランスをとっている。ボーカルとコーラスもいかにもハードロック調ながら、情熱を感じさせる表情はイタリアならではのものだ。ただ後半では、イタリアプログレらしいクラシカルな展開も見せる。3は小曲ながら、こじんまりとしたアレンジから壮大な表情に開放される絶品。4も、静かに盛り上がりつつ展開するスリリングかつドラマを感じさせる大曲だ。
ニュートロルスの「アトミック・システム」の疾走感やアレンジなど、同レーベルとして共通するような印象ながら、ワイルドなロックっぽさが特徴だろう。前半も悪くはないが、後半はいかにもイタリアプログレの全盛期真っ只中という感じだ。命中度はそれほどではないが、攻撃的に爆弾をいくつも投下しているようで気が抜けない。名作の一歩手前な力作。


アルファタウラス(紙ジャケット仕様)

久しぶりに聴いたんだけど、ずいぶんと印象が変わっていた。
あんまり面白いバンドというイメージはなかったんだけど、よく聴くとイタリアそのものだね。
スペインに行っていたかいがあったかな。
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2004年06月15日

洗濯女

近所の後輩のパソコンがトラブル。
電話で話していても埒があかないので、直接出向。
いや、電話でもなんとかなりそうだったが、半ば強制的に出向。
実は焼酎マニアのその後輩、ご褒美に美味しい焼酎にありつくことが真の狙い。
なんとか直って、沖縄の焼酎を飲んでへべれけ。
へべれけなんだけど、安い酒とはレベルの違う心地良い酔い。
なんでも、女の人が仕込む焼酎なんだそうだ。まろやかでいて繊細な味だった。

今日の1枚。

I DIK DIK / suite per una donna assolutamente relativa (1972) イタリア

女性が四つん這いで、コチラを物凄い形相で見据えるジャケットが強烈な「洗濯女」という通称で有名な作品。邦題は「ある女性に捧げる愛の形」というんだけど、やっぱりこの女性に捧げてるんだろうか。
60年代はビートグループだったというディク・ディクが、トリップにいたキーボード、ジョー・ヴェスコーヴィの加入を期にプログレムーブメントの煽りを受ける形で発表した作品。プロデュースはレアーレと同じらしく、レアーレ同様歌心のあるシンフォニックな音作り。ややこっちの方がポップス寄りか。
メロトロンやムーグなどのキーボードオーケストレーションを軸に、綺麗なコーラス、好き嫌いの分かれる特徴的な声だがドラマチックに歌い上げるボーカルが特徴。いかにもなラブロックの延長もあるが、不穏に盛り上がる展開もあるし、もの哀しいメロディに満ちた展開も。ただやはり根はポップスグループ、プログレ的な捉え方をするとツメが甘いと感じる面も。プレグレ風のポップス(ラブロック)として、逆方向から見ないとこの作品の良さはなかなか見えてこないように思う。

Suite Per Una Donna
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2004年06月11日

マークの幻想の旅

後輩にひろりんシアターを自慢。
音の凄さを実感させるために、「ロード・オブ・ザ・リング」の冒頭を大音量で聴かせる。
「凄い音っすねえ」
そうだろう、そうだろう。こんなの見ながら、ワインを飲んでいるわけなんだよ。
といいつつ、いつも以上に音量をあげてたり、こんなときのために用意していた絵のいいハイビジョンの録画をさりげなく流したり。
買うな、あれはきっと。
ふふふ。

今日の1枚。

GOBLIN / IL FANTASTICO VIAGGIO DEL BAGAROZZO MARK (1978)

イタリアでもしかしたら一番知名度のあるかもしれないゴブリンの、サントラ以外では「ローラー」以来となるオリジナルコンセプトアルバム。邦題は「マークの幻想の旅」(日本語ではゴキブリの気まぐれな旅?)で、主人公マークが虫に変身して旅をするというストーリー。実はゴブリンはこれ1枚しか持っていなくて、サントラ時代を聴いたことがないんだけど、キーボードを中心に空間性に富んだファンタジックな音を聴かせてくれる。緊張感を保ちつつもヒューマン的で、70年代後半のキーボード受難の時代のロックとしてはアイデア、テクニック、センスともに最高峰のレベルだと思う。ギターもここぞというときに効果的だし、演奏面で不満はあまり感じない。がしかし、唯一の欠点が垢抜けないボーカル。ゴブリンとしては初めてボーカルを作品に取り入れて新境地を狙ったんだろうけど、これが文句のつけどころのない演奏と比べると相当に見劣ってしまう。 6曲目のようにメロディと展開のよさに助けられた曲もあるが、全体としては足を引っ張っている気がしてならない。
高度なエレクトリックなシンフォニックロックとしては、個人的にあまり比較対象も見当たらずよくできていると思う。トータルコンセプトの作品としても、一貫してストーリーが続くような印象ながら、起伏に富んだ展開を見せ面白い。残念ながら、商業的に失敗してしまったようだが、クラウディオ・シモネッティの時代と向き合ったキーボードさばきは流石の一言。

マークの幻想の旅
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2004年06月10日

アスコルタ

ユーロロック本、発売されたようだ。

「取り上げるCDがマニアックすぎ」と、今度は口頭で有難いご意見を頂いたが・・・やっぱり無視する(笑)
昨日も今日もマニアックじゃないじゃん。
それに僕はマニアではない。(マニアというほど知識はない)
ただの愛好家だよん。



今日の1枚。

POOH / ASCOLTA (2004)

プーの最新作。前作から1年半ぶり。
この充実ぶりは何なんでしょ。
前作の「ピノッキオ」が映画のサントラのように優雅でファンタジーを感じさせるものだったが、今回は、いくつになっても青年期のような瑞々しさを湛えたようないつものような曲調なんだけど、オーケストラが纏わりついている曲が多く、アレンジや雰囲気の面で、深みや高級感?を感じる。アレンジとプロデュースをFIO ZANOTTIという人が担当しているが、この人によるところが大きいようだ。いつものように、メンバー全員が作曲とボーカルを担当できる強みを生かして曲調はプー流ポップスの範疇ながらバラエティで、いつものようにどの曲も完成度が高く、いつものように爽やかな哀愁を感じさせつつも温かい気持ちになれる曲ばかりなんだけど、なんだかバンドが若返ったかのような新鮮さがあるのが凄いし恐ろしい。
先行してシングルカットされたコーラスを生かしたいかにもプーらしい2、エキゾチックな哀愁に満ちたバラード5、前作の余り曲?オーケストラアレンジが楽しい13、懐かしいお約束の最終曲の大作バラードと、いつものように聴き所満載。だが、本作で何にも増して素晴らしいのは1曲目。ギターとオーケストラが絡みあいつつ、ドラムが入り、印象的でもの哀しいコーラス、そして徐々に盛り上がりドラマチックに展開する。たぶん代表曲になるんじゃないだろうか。
それにしても、よく考えればメンバーは皆すでに60近い年齢。年齢詐称くらいしか科学的に説明のつかないこの若さは何なんでしょ。しかも進化しちゃったよ。恐ろしくも頼もしい。
某ショップ評ではないが、これ名作になるかも。リアルタイムで聞けたことを誇りにしたい。

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2004年06月07日

ツァラトゥストラはかく語りき

珍しいものを見た。
国道沿いの畑でメロンを収穫していたら、目の前を、レッカー車がレッカー車をレッカーしながら通過していった。
あまりの咄嗟のことに、「ああ、事故ね。ってレッカー車が事故かよ」と、お笑い芸人のようなノリツッコミをしてしまった。誰も見てないのに。

今日の1枚。

MUSEO ROSENBACH / ZARATHUSTRA (1973) イタリア


マフィアに「ヘビーシンフォを出せ」と脅されたら、これを出します。
イタリア屈指の名盤として名高い、ムゼオ・ローゼンバッハの70年代の唯一作。
邦題は「ツァラトゥストラはかく語りき」。ニーチェによって書かれた反キリスト教的哲学を展開する叙事詩。主人公「ツァラトゥストラ」とは、ゾロアスター教の教祖ゾロアスターのドイツ語読みしたもので、人間を超越した「超人」、キリスト教美学の「同情」の否定などを経て、そして「等しきものの永遠回帰」に至るという話らしい。こんなものを題材にロックを作るところが、崇高な神秘さをたたえ、プログレ探求者の好奇心とインテリ心を刺激する。
とまあ、そんなことは実はどうでもよく、1曲目の静かにに始まりドラマチックに爆発する瞬間で僕はイチコロ。イタリアンロックのもつ美しさ、ドラマチックさ、闇雲さ、などが大袈裟に誇張されたようなシンフォニックプログレ。儚い美しさが凶暴な邪悪に一変したり、クラシカルな旋律がアヴァンギャルドになったり。手数のやたら多いドラムに導かれ、場面がせわしなく展開する。そして一環して全面を覆うダークな雰囲気。咆哮するメロトロン、地を這うムーグ、印象的な旋律のギター、ダミ声でドラマチックに歌い上げるボーカルとすべてが魅力たっぷり。こんなもの聞きながら、ドライブに出かけた日には事故が向こうから寄って来ます。
個人的には、クエラが表のイタリアの顔だとすれば、裏はこのムゼオ。ビバ、イタリア裏ロック!


ツァラトゥストラ組曲(紙ジャケット仕様)


ツァラトゥストラ
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2004年06月01日

ファンキータウン

ビリヤードを久方ぶりにやる。

やらなきゃよかった。

今日の1枚。
I LEONI / la foresta (1971) イタリア

もともとはビートグループであったというスリーピースバンド。プログレッシブムーブメントの吹き荒れる最中ということで、キーボードを主体とし、フルートや女性コーラスなどもフューチャーした、メロディアスでプログレ風な展開も持った歌モノという感じ。レアーレあたりに近いかも。
ただ、曲によってハッキリとプログレ風と歌モノが別れていて、たおやかでやさしいメロディを奏でるかと思えば、次の曲で混沌として不安感を感じさせたり、哀愁溢れる響きを見せたかと思うと、緊張感のあるロックを聴かせたり。バラエティというよりは、いろんな要素が散在しているという感じ。歌モノが良いので、多少無理をしているようなプログレ面が浮いてしまっている気も。
とは言いつつも、かなりの愛聴盤。手探りで時代が求める音を求めつつも、自分たちの魅力を損なわないような努力がよくわかるし、不器用なのによく頑張っている姿が目に浮かんで好感をもてる。なんでも完璧にこなしているバンドって、かわいげがなく感じちゃうんだからリスナーは我儘だ。
イタリアンロック集成には「100枚目、200枚目に聴くイタリアものとしたら十分堪能できる」とあるが、ちょっと言いすぎ。せめて80枚目くらい。
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2004年05月31日

浜名湖PALPAL

初めて、PAL方式のDVDソフトを買ってみた。
日本はNTSCなんだけど、ヨーロッパではPAL。
日本仕様で発売されることのないヨーロッパのロックバンドのDVDはほとんどPALだ。
当然、日本のDVDプレイヤーでは見れないんだけど、パソコンのDVDプレイヤーとモニターでは見れるらしい。
らしい。
らしい。
。。
見れなかった。なんで?

今日の1枚
GIANNI D'ERRICO / antico teatro da camera (1976) イタリア

EQUIPE 84の「SACRIFICIO」に参加したジャンニ・デリコの唯一作。プロデュースはエキペのMAURIZIO VANDELLI。
多彩なキーボードを駆使した陰りのあるメロディと、ダークな表情で抑揚をつける感傷的で哀愁のボーカルが特徴。多少ポップだったり、クラシカルでシンフォニックな面も見せるが、日当たりの悪いスタジオで録音したであろう光景が目に浮かぶほどに陰鬱。ただ、そこに虹の蜃気楼のように漂うボーカルとメロディの作り出す世界が、儚い美しさをひきたてる。冥界の名作。イタリアでしか出てこない音だが、かといって他のカンタウトーレのどれにも当てはまらない強烈な個性。凄いです。
ヤクラのような妖気の漂うオープニング。そして、ジャンニのこの世の終わりとも思える哀愁に満ちた歌声でノックアウト。泣けます。
しかし彼は、この作品の発表を待つことなく、MAURIZIO VANDELLIのスタジオからの帰路、交通事故で他界。一世一代の名作は伝説になってしまった。
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2004年05月21日

ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク

わたしの名前はカルメンっでっすぅ。
この曲が頭から離れなくなってしまった。

「イケメン。色白で背が高くスラッとしてる。瞳は少しブラウン。鼻筋が通っていて知的な印象。スーツもカジュアルもオシャレに着こなす。靴好き。人が何と言おうと自分が決めたことは変えない頑固者。頭の回転が速く、マジメでいい加減なことを嫌い、細かすぎるほど神経質なところがある。意味のない付き合いをしたくないため興味のない人とは必要最低限のことしか話さない。意外と人見知り。ただしなぜか目上の人からは引き立てられ、それが原因で同期から嫉まれる可能性も。」

↑しちゅうすいめいとかいう性格分析による僕らしい。
イケメンなところしか当たってないではないか。占いって容姿までわかるの?

今日の1枚。
CORTE DEI MIRACOLI  (1976) イタリア

GROGレーベルの4番。ツインキーボードが特徴のイタリア屈指のテクニカルシンフォニックバンドの唯一作。
GROGレーベルということで、ニュートロルスのスカルツィがゲストで1曲目で素晴らしいギターを弾いているが、全体的に当時のニュートロルス臭というか「アトミック・システム」に似た雰囲気がある。シンフォニックに音を重ねたり、流麗なソロを演じたりと縦横無尽に駆け巡るキーボードと、イタリアらしくドタバタと自己主張をしながらメロディをコントロールする超絶ドラム、堅実に曲の土台を作るベースと、すべてに高レベルで理想に近いシンフォニックプログレを構築している。
ボーカルが弱いんだけど、ボーカルが下がってからの楽器間のインタープレイが凄まじい本作にはこれくらいの方がうるさくなくてよい。
ロカンダと並んでイタリアンプログレのもう一つの到達点といってもいい傑作。レーベルの消滅でこれ1枚で解散してしまったのが本当に惜しい。

ところで、ちんすこうは美味ですなあ。


Corte Dei Miracoli
posted by ひろりん at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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