2006年04月19日

虹の果ての黄金伝説

df430fb5.jpeg今日の1枚。

FRUUPP / THE PRINCE OF HEAVEN'S EYES (1974)

前作からわずが6ヶ月で発表された3作目。おそらく彼らの作品の中で最も有名ではないだろうか。邦題は「太陽の王子〜虹の果ての黄金伝説」。

本作はどんな音か?それはこのジャケットと、グループのマネージャー兼詩人のポール・チャールズが作り出したファンタジー溢れるストーリーが如実に物語っている。両親の死をきっかけに人生の意味をさぐるために、虹の果てを求めて旅に出る主人公マッド。さまざまな出会いや出来事をとおして成長していくというお話だ。

演奏に関しては、地味で繊細な印象から、カラフルでメロディアスでドラマチックな要素がさらに強まり、ストリングスを効果的に絡めるなど、ストーリーを音にする表現力の幅が大きくなった。静と動の対比など、緩急も自在でシンフォニック/プログレバンドとして申し分のない体裁となった。
その一方で、バンドの纏まりなどが多少感じられなくなって、アレンジ面での楽曲構築が目立ってきているが、それでもまだ、彼らの持ち味である親しみやすさや田舎っぽさは保たれていて、バランスは悪くない。多少背伸びをしすぎている感じもするけど、このバンドの最高傑作といってよいと思う。

旅の終わりで、遂に虹をみつけたマッド。彼は思った。この旅で得たものこそかけがえのない黄金。そう、黄金は自分自身に埋まっているのだ。聞き終わって爽やかな幸福感につつまれる作品だ。将来、子供ができたなら、童話がわりに聞かせたい音楽だ。
posted by ひろりん at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | アイルランドのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月18日

七不思議

aaf58ed0.jpeg今日の1枚。

FRUUPP / SEVEN SECRETS (1974)

2作目。
邦題は「七不思議」。世界七不思議をテーマにした作品ではないようだが(内容はまたも未確認)、コンセプトに沿って展開される作品だ。

実は僕が持っているのは、1枚のCDにファーストとセカンドが収録されている2in1のCDだ。最初から聞いていくと、進化の度合いがよくわかる。ドタバタして落ち着かないファーストの前半を聴いて、後半にいくと、随分すっきりとしてたおやかな印象を受ける。数回聴いただけではセカンドの方が地味だと思えたほどだ。しかしよく聞き込むと、演奏力が4人ともに向上し、歌部とインスト部のメリハリがしっかりしていて、何が起こるかわからなかった前作と比べて、完成度が高い。さらに、オーボエや弦楽器なども絡めてクラシカルな雰囲気も盛り込み、内ジャケットの中世の貴族に扮したメンバー写真然とした音に仕上がっている。

しかし、完成度は上がったとはいえ、洗練されたとは言い難く彼らの魅力である素朴さや親しみやすさはそのままだ。部分的にドラマチックな展開があったり、楽曲の起伏があったりするものの、全体と通しては、繊細なイメージの方が強い。前作ではアイルランドの田舎臭い風変わりなロックバンドだったのが、ブリティッシュの田舎プログレバンド(それでも田舎だが)に進化したイメージだ。日本人ウケする音だと思う。

傑作とは言いがたいけど、グループとしての纏まりを感じ、温かな雰囲気が広がる好印象の1枚だ。フループらしさをそのままに楽曲を充実させたということで、次作の背伸びした音を考えると、彼らがやりたかった音楽はこういうものだったのかもしれない。
posted by ひろりん at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | アイルランドのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月17日

知られざる伝説

ac3de718.jpeg今日の1枚。

FRUUPP / FUTURE LEGENDS (1973) アイルランド

アイルランド出身のプログレバンド。70年代に4枚の魅力的な作品を残した。メンバーはヴィンセント・マッカスカー(G)、スティブン・ヒューストン(KEY)、ピーター・ファレリー(B、VO)、マーティン・フォイ(D)の4人。本作はファーストアルバム。

グループ名の由来は、リハーサルのために借りていた家に現れた若い女性の幽霊だという。真偽のほどはさておき、奏でられる音もファンタジー的な要素が強いものだ。コンセプトアルバムらしく、テーマに沿った楽曲が奏でられているようだ(内容は未確認)。クラシックの要素や、フォーク臭い展開、ハードロック的なものが見え隠れするバラエティな曲調だが、プログレ的というよりも、ドタバタとさまざまな音楽要素を渾然させるイタリアンプログレに近い雰囲気だ。メロディアスだったり、泣きのメロディがあったりするが、そこは地中海の暖かな陽光とは打って変わった冷たい曇り空の風土。陰りのある表情が、素朴な詩情となっている

本作の最大の魅力は、洗練されていないことにあるように思う。けして上手いとはいえない演奏、そして垢抜けないボーカル、楽曲の展開もごちゃごちゃしていて、無骨で荒削りな雰囲気さえある。しかし、そこに滲むひたむきさや純朴さに、なんともいえない居心地のよさを感じる。そしてそれがファンタジーでもありえるところがこのグループのよさだ。
posted by ひろりん at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | アイルランドのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。