
かなり不評だと感じているこのDVD-AUDIOレビューだ(爆)
専用プレイヤーと6本のスピーカーがないと聞けないというだけあって、普及度は恐ろしく低いと思われる。
みんなどんなレビューを書いてるかなと検索してみても、ほとんどヒットしない。
時代はメモリーオーディオのような、音質を落として利便性を追求したものが主役だから仕方ないかな。
まあ、逆にいえば、そんな注目度の低いメディアのレビュー(というほどのことは書いてないが)をするのに価値があるわけだと自分を騙して書いていこう。
5大プログレバンドの一つのELP、そして彼らの最高傑作と呼び声の高い名作。
ロックを聴かない人にはぜんぜんわからないんだろうなあ。超絶テクを有するキーボードを中心とする3人組バンド。
僕の青春の1枚だ。
例によって、作品自体のレビューは他に譲り、マルチチャンネルを中心に聞いていこう。
ビットレートなど、ジャケットに記載はないけど、それほど高くない気がする。
1 JERUSALEM
頭の中で音楽が流れているようなステレオ感が凄い。
パーマーのドラの音や、広がりのあるベース音、エマーソンのプレイの一部がリアに振り分けられるなど、3人に包囲されている。
頭脳改革の始まりだ。
2 TOCCATA
リアから聞こえるキーボード。そして前方からのパーマーのプレイの掛け合い。
そしてしばらくは前方中心。時折エマーソンのキーボードがスピーカー間をぐるぐるまわる。
エレクトリックなトルネード曲だ。
後半の隙間の多いプレイ。キーボードや加工されたドラム音の消え入る瞬間がCDよりも長く感じる。
終盤は様々なキーボード音が、前後左右あちこちから現れる。もぐらたたきのようだ。
これは面白い。
3 STILL...YOU TURN ME ON
うーん、このアコースティックギターの音の良さ!
弦の1音が、驚くべきほどに表情がある。
そしてレイクの声も成熟した表情を聞かせる。
4 BENNY THE BOUNCER
様々な効果音がリアから出て臨場感がある。
中間のホンキースタイルのソロも、CDよりも音が厚くて説得力を感じる。
KARN EVIL 9
5 1ST IMPRESSION-PART 1
そしてプログレ屈指の名曲へ。
これはとにかく5本のスピーカーの使い方が面白い。
様々なキーボード音が、5本のスピーカーを縦横無尽に駆け巡る。レイクの声もついでに。
せわしなく、そして刻々と表情を変えていく楽曲、と、定位の定まらない音場がマッチしている。
そして、伸びやかなギターソロで、それが一気に開放される瞬間。これだよ!ビバ、プログレ!
6 1ST IMPRESSION-PART 2
パート2は、パート1のダイジェスト的なのでサラウンド効果がおとなしいと感じるかな。
7 2ND IMPRESSION
前半のピアノジャズはフロント中心。そしてシンセが入ってビートがエスニック調になるとリアが雄弁になり、一気に音場が広がる。
一旦ブレイク後、静かで緊張感のあるミステリアスなムードでのスピーカー全部を使った空気感が凄い。
そして再び、怒涛のジャズアンサンブルへ。楽曲をグイグイ引っ張るピアノ音の艶かしさ。素晴らしい。
8 3ND IMPRESSION
そして組曲は大団円に。
飛び交うムーグの響き、精神性を携えたレイクのボーカルが印象的だ。
勇壮なファンファーレから、疾走するオルガンジャズではしっかりと前方メインで聞かせ、徐々にリアを交えて盛り上がっていく。
曲が破綻寸前なのが危ういところで繋がっている、というのがよくわかる。
BONUS SELECTION
9 LUCKY MAN
なぜかラッキーマンだ。
これはいいね。ボーカルをセンターにしっかり定位させて、アコースティックギターをリアからも鳴らし、コーラスは全部のスピーカーで盛り上げる。
中間部の迫力のある演奏がいいインパクトになって、静と動の対比を明確なものにしている。
タルカスもマルチチャンネルで聞いてみたい。
そんなわけで聞きながら、メモしてみた。
音質はCDと比べるともちろんいいんだけど、ムーグやハモンドなど機械自体の音が古いので、キーボード音に関しては実感としてはそれほど音質の差異は感じないかなあ。
でも、マルチチャンネルでは、さすがに相性がいい。
とにかく多彩なキーボード音は、軽いんだけど、その軽さを逆手に取ったようにいろんなスピーカー間を飛び交わせて、メリーゴーランドのようにキラキラと音が回転している。
CDのステレオとは、また違った聞き込み方ができる作品だといえると思う。
VIDEO PLAYLIST
1 KARN EVIL 9 - 1ST IMPRESSION EXCERPT (LIVE 1973) 2:22
画質が悪いなあ。
レイクが若い!
パート2の方だね。
レイクのシャウトが激しい。
ギターソロのところで終わり。
2 KARN EVIL 9 - 2ND INPRESSION EXCERPT (REHEARSAL) 0:29
冒頭のピアノから。
エマーソンの指さばき!
パーマーの神経質なドラム。
レイクは映らない。
パーマーが口笛を吹いて、演奏を止めて終了。
3 STILL YOU TURN ME ON (LIVE) 2:07
再び1と同じ会場の映像と思われる。
ギター1本で引き語るレイクの独壇場だ。
4 CARL PALMER PLAYING "WILLIAM TELL"ON TIMPANI 2:51
レコードにあわせて、パーマーが演奏。
エマーソンが最後に矢を放ってる。なんだそれ。
5 LUCKY MAN (LIVE) WITH GREG LAKE - CIRCA 1992 2:51
最初少しだけライブ。タンバリンをたたくパーマーの横で引き語るレイク。
ギター抱えて犬と散歩しながら独り言を言っているレイク?
釣りを始めたぞ。釣れた!うれしそうだ。
そして再びライブ映像に。