2015年11月25日

kai ta matia

ELEFTHERIA ARVANITAKI / KAI TA MATIA KAI I KARDIA (2008) ギリシア

アルヴァニタキの08年作。前作より4年ぶり。
傑作だった前作同様、やや民族色を薄めて哀愁のポップスアレンジが光る。エキゾチックなアコースティックギターに絡むアルヴァニタキの声のいつもの展開が中心だけど、ホーンセクションが豪快に絡む3や、お洒落なサルサ風アレンジの6など、耳障りがよくてカッコいい。5の「PES MOU」は代表曲になってるだろうバラード。切々と訴えるように歌い上げるアルヴァニタキ節に聞き惚れる。

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2015年10月29日

9+1

ELEFTHERIA ARVANITAKI / 9+1 ISTORIES (2015) ギリシア

ギリシアのベテラン女性ボーカル、エレフセーリア・アルヴァニタキの最新作。前作から7年ぶりとなる通算13作目。
ギリシアには女性ボーカル物で良作が多いんだけど、その中でも個人的に最も信頼しているのがアルヴァニタキ。57年生まれなので、もう58歳でびっくりだけど、これまでも、そしてこれからも傑作を生み出してくれる安心感がある。
本作も例にもれず傑作。1曲目のギリシアの大御所シンガー、ヴァリシス・パパコンスタティヌとのデュエットが異色だけど、それ以外はいつものアルヴァニタキ節ともいえるもの。アコースティックギターやピアノ、アコーディオンやブズーキなどが奏でる哀愁のギリシア旋律に、独特の透明感のあるアルヴァニタキの声がのると、眼前にはエーゲ海の夕暮れが浮かび上がるのだ。
どの曲も良いんだけど、2〜5の静かにはじまってサビで炸裂するアルヴァニタキ節にニンマリさせられる。9の躍動感のあるビッグバンド風もかっこいい。
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2005年12月09日

ギリシア語、読めないのでアーティスト名を英語表記にします

今日の1枚。
LENA PLATONOS-SAVVINA YIANNATOU / Anaponoes (1997) ギリシア

ギリシアを代表する才女二人、シンガーソングライター&シンセ奏者として素晴らしい作品を数々送り出したレナ・プラトノス、そして美声ボーカルとして名作群をリリースしてきたサヴィナ・ヤナトゥー、この二人が13年ぶりにタッグを組んだ97年作。日本盤も出ていたようで「甘いため息」という邦題がついていたようだ。
シンセや生楽器を丁寧に積み上げて構築したしっとりと落ち着いた雰囲気の中に、ため息の出るような美声が乗る。素晴らしい空気感。ヒーリングミュージックのように、どこまでも美しくありながら、美の垂れ流しにはならない深みをもっている。癒しの音楽というには重く、音楽へまるで媚薬を飲まされたかのように引き込まれるような魔力を感じさせる。高い精神性と、それを音にする力、この二つの要素の高さが尋常ではない。
大袈裟にドラマチックに盛り上がることはなく、静謐かつ幽玄に、逆に言えば割と淡々とした展開。だが、その表情をひとたび覗き込めば、メデューサと目が合ったかのように動けなくなってしまう驚異的な世界。傑作だと思う。
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2005年12月02日

こんな音楽を使うテレビドラマも大変だろうよ

今日の1枚。
ANEMOS / ΘΥΜΑΤΑ ΕΙΡΗΝΗΣ (1999) ギリシア

美声ボーカリスト、カテリーナ・ニトソボリューと、ギターリスト、コスタス・ハツォプロスの二人によるユニットの2作目。一部はテレビドラマのサントラとして使われたということで、一部の曲のアレンジ違いの曲なども収録した全16曲。
素晴らしい出来!哀愁とエキゾチックが同居するアコースティックギターの旋律、ドラマチックに展開する楽曲、美と幻想の空間を描き出すアレンジ、そしてカテリーナ嬢の美声。高レベルのギリシア女性音楽の中でも、トップクラスの完成度だ。
いきなりやられるドラマチックな1、トラディショナルな美を振りまく2,壮麗なシンフォニー3と前半の3曲でもう虜。後半では、同じ曲のアレンジ違いが出てきて、やや間延びした表情を感じるものの、4のフルートの旋律、5の美の化身と化したカトリーナ嬢のスキャット、6のフレットレスベースとドラマチックな表情を出すサックスの絡み、10のエキゾチックなリズムの中に漂うギリシアらしい哀愁の民族臭と、ギリシア哀愁美を惜しげもなく散りばめている。
アネモスとは「風」という意味なのだそうだ。鉄壁のギリシアアレンジの施されたフィールドを舞うカテリーナの美声はまさに風。その風にそっと身を委ねれば、そこはもう神々の息吹を近くに感じるギリシアの天上界だ。最終曲が終わって無音になった瞬間の現実に戻される寂寞さがなんともいえない切ない余韻を残す。
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2005年11月17日

レイジー・ダイナマイト

今日の1枚。
ELEFTHERIA ARVANITAKI / Ekpompi (2001) ギリシア

前作から5年ぶりとなる2001年作。1曲目から、静かに静かに盛り上がっていきサビで爆発するドラマチックな展開で、僕はもう虜です。切なさや哀愁のたっぷり詰まった感動作だ。
アルヴァニタキといえば、絶品の哀愁ギリシアアレンジが施された楽曲をメロディアスに歌いあげる印象なんだけど、本作に限って言えば、哀愁には変わりないんだけど、ポップス色が強くギリシア色が薄い。とはいうものの、楽曲はいつも通り高レベルのものだし、アレンジも一級品だ。さらには、ポルトガルのファドの女王、デュルセ・ポンテスが8でデュエット&曲作りで参加し、これが絶品。鳥肌が出るほどに感動し、中間部では、その感動までも巻き込んで歌い上げられて失神寸前だ。
7のパリのブティックで流れてそうなオシャレな雰囲気や、5の地中海の見える公園で楽しそうに歌っているような曲などもあり、バラエティに富んでいながら、どの曲も板についた歌唱を聞かせてくれる。そしてラスト曲では、感情を徐々に沸きたてるような熱唱とアレンジ。こんな曲を最終曲にもってこられると、高揚した気持ちの持って行き場に困る。仕方ないので、また1曲目から再生してしまうのだ。
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2005年10月02日

人魚姫の夢

3a5059e2.ΣΑΒΙΝΑ ΓΙΑΝΝΑΤΟΥ/ ΣΕΙ Ο ΒΟΣΙΛΙΑΣ ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ (1986) ギリシア

最近すっかりこの人の作品に浸かってます。カリスマ的なオーラをもったギリシアの歌姫サヴィナ・ヤナトゥーだが、歌の女神にも思えてきた。
「アレキサンダー大王は生きている?」というタイトルらしいんだけど、テーマが作品全体に行き渡っているのかよくわからない。でもそんなことはどうでもいいのだ。透明感に満ちた清楚な歌声に身を任せていれば、それだけで心が満たされていく。さらに、ただ綺麗な歌声というだけなら他にも大勢いるんだけど、どこか影を感じさせる歌声は深遠な奥深さを感じさせ、時代の流れや日常の喧騒とは全く違う空間に聴き手を誘ってくれる。霧の立ち込め静寂に包まれた透明感溢れる湖面を、ボートで揺られているような心地よさ。しかし湖面を覗き込めば、どこまでも深く吸い込まれそうな、このまま吸い込まれてもいいような錯覚を覚える。努力や才能だけでは、けして作り出すことができないだろう境地の作品だ。
本作は、プログレファンに人気があるらしいんだけど、それって何だろうなあ。1や2の、ブリティッシュフォークのような呪術的な展開かな。ただ、それ以外は、アコースティックな弦楽器などを駆使したジャズやトラッド、クラシックなどを消化した静謐な雰囲気。ただ「癒し」の音楽ではない。表面上の聴きやすさの影に潜むなにかとてつもないもの(←うまく表現できない・・)に、心を揺さぶられる、そんな1枚だ。
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2005年09月22日

山葵な梁籐

9e3784ba.bmpΣΑΒΙΝΑ ΓΙΑΝΝΑΤΟΥ / ΠΑΩ ΝΑ ΠΩ ΣΤΟ ΣΥΝΝΕΦΟ (2002) ギリシア

最初に言ってしまうけど、これ、素晴らしいです。59年生まれのギリシアを代表する美声ヴォーカリスト、サヴィナ・ヤナトゥーの2002年作。ギリシアの国民的作曲家であるマノウ・ハジダキスの楽曲を中心にしたカヴァー集らしい。
伴奏はピアノ、チェロ、バイオリン、クラリネットのみで、静謐かつ気品と哀愁に満ちた室内楽的空間に、深い愁いに満ちた美声が乗ると、まさに天上の至楽。限りなく美しく、そして切ない哀しみが心を打つ。おそらくはギリシアではスタンダード曲であろう楽曲は、普遍的な響きのメロディを伴っていて、まるでアンティークの家具のもつ歴史の気品みたいなものを感じる。家具に積もった埃でさえも美しく思える馨しい芳香が幽玄に漂う。
よく聞きこむと、曲調はバラエティに富んでいるのだけど、共通したトーンでまとめられてトータル性も感じる。古いスタンダード曲ということで、2分台の曲が多いのだけど、2分とは思えないほどにドラマがあり、いろいろな表情が詰め込まれている。ボーカルが一旦退いて、伴奏のみの間奏になる部分などは、驚くほどに雄弁にロマン紡ぎだしていて、思わず溜息が漏れるほどだ。
ほぼ完璧な内容なんだけど、12は唯一英語で歌われていて、これだけやはり感情がギリシア語ほど籠もっていないような気がしてやや残念。

思い返してみれば、この夏、最も聴いていたCDはコレのような気がする。車にずっと置いてあって、西へ行ったり東へ行ったりする中で何気なく聴いていて、最初は聞き流していたんだけど、いつの間にか愛聴盤になってしまっていたという感じ。空気のような透明感で知らずに体内に入ってきて、知らない間にその心地よさを体の細胞が覚えてしまっていたとでもいおうか。ずっと後になって、このCDを聞き返すとき、そのときの僕はこの夏をどのように思い出すだろうか。今からちょっと楽しみだ。
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2005年09月21日

カリオピ

ac426310.bmp突如復活。今日の1枚。

KALLIOPI VETTA / HORIZON (2003) ギリシア

アネモスのカテリーナ嬢のような本格的な表現力をもった美声ボーカリストの2003年作。
荘厳かつドラマチックにうなりを上げるオープニングから美声が響き渡り、極上のギリシア哀愁のアレンジが曲を引き立てる。地中海の文化を感じさせるトラディショナルな雰囲気から、都会的なセンスに溢れた楽曲、さらにエキゾチックないかにもギリシアポップスといった雰囲気の曲などもあり、アネモスよりも音楽性の守備範囲は広く感じるところ。タイトルの「地平線」のごとく、雄大でいながら、人間の哀しみにも目が向いているといえるかも。
アコースティックギターの哀愁の旋律で神経を研ぎ澄まされ、声の高域の部分で魂を揺さぶられる。1や7では、もはや歌ってすらいないのだけど、美声という武器を縦横無尽に表現し尽くして聴き手にドラマチックな感動を与える展開は人間界を超えた天上界のような境地だ。素晴らしすぎ。超一級の完成度のギリシア女性ボーカル物の傑作だと思う。大音量で再生すると、部屋の空気が一変します。
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2005年06月09日

ΤΑ ΚΟΡΜΙΑ ΚΑΙ ΤΑ ΜΑΧΑΙΡΙΑ 

今日の1枚。
ΕΛΕΥΘΕΡΙΑ ΑΡΒΑΝΙΤΑΚΗ / ΤΑ ΚΟΡΜΙΑ ΚΑΙ ΤΑ ΜΑΧΑΙΡΙΑ (1994) ギリシア

先月、愛地球博のギリシアデイ(?)に出演して、ギリシアファンを卒倒させたアルヴァニタキ94年作。プロデュース&アレンジはデメトリス・パパデメトリュー。知識不足でよく知らないんだけど、有名な人らしい。
ギリシアの女性ボーカルで最初に触れたアーティストということで、僕はギリシア音楽といったらこの人なんだけど、いくつか聴いた中でも、最もギリシアを感じさせて完成度が高いと思うのが本作。哀愁のアコースティック楽器の響きと、エキゾチックなアレンジ、そして明解なメロディといった要素がすべて高次元。躍動感溢れるアップテンポな曲から、もの悲しいスローなバラードまで、ギリシアの息吹が細部まで宿っている。
捨て曲はなくて、どの曲も高い完成度なんだけど、4、8、11、12といったしっとりと聞かせるバラードが素晴らしい。心にそっと残る普遍的な響きを聴いていると、目の前には地中海の夕暮れが浮かび上がって、日常の喧騒は脳裏から浄化されてしまうのだ。
色に例えればセピア色。季節に例えれば夏の終わりから秋といったところだろうか。カラっとした乾いた哀愁感は、ジメジメとして湿度の高い今の時期に聴くのにはもってこいだ。傑作だと思う。

名作度 9
聴き込み度 8
気に入り度 9


arvanitaki
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2005年05月23日

夏の月

今日の1枚。
KRISTI STASSINOPOULOU / THE SECRETS OF THE ROCKS (2002) ギリシア

ヨーロッパで高い評価を得て大ヒットしたらしいクリスティス・スタシノポリューの2002年作。
ギリシアの女性ボーカルものらしい地中海のエキゾチックな民族性を色濃く残しているが、本作の価値は恐ろしいまでのエレクトリックアレンジにある。アンビエントやトランスといった空間的な広がりのある音響系のアレンジが、ギリシアの哀愁美と何事もなかったかのように平然と同居している。夢見心地の浮遊感がありながら、土臭い現実感も感じる。にも関わらず、ニューヨークの高級ブティックで流れていても違和感のないとても洗練されたお洒落な雰囲気もある。現実社会から飛び抜けていないロックの桃源郷か、ここは。
不思議な魅力をもった楽曲群は、どれもレベルが高い。声も、シャンソンのように舌足らずだったり、ネイティブの民族っぽいコブシをまわすかと思えば、美しく熱唱する曲もあって、表情が多彩。楽曲やアレンジは優秀な裏方によるところが多いんだろうけど、単なる歌い手からは大きく跳びぬけた才能とセンスの高さを感じる。傑作だと思う。ただ時代のフィルターを無効にし得る名作かどうか。10年後に聴いたら、ちょっと古臭いか?

名作度 8 (こんなもんか?)
聴き込み度 5 (実はまだあんまり聴いてないん)
気に入り度 6 (急上昇中)


secretoftherock
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2005年05月10日

木にひっかかった女

今日の1枚。
ΜΑΡΙΑ ΠΑΠΑΔΟΠΟΥΛΟΥ / ΦΕΓΓΑΡΟΣΤΟΛΙΣΤΑ (1999) ギリシア

マリア・パパドボリューの99年作にして、木にひっかかった女性のジャケットで有名なギリシア女性ボーカル物の傑作。
おそらく、今年に入って最もよく聴いているCDはこの人のものだと思う。大ハマリしてしまった。
もう1枚の大傑作「Σ' ΕΝΑ ΚΟΣΜΟ ΜΥΣΤΙΚΟ」に比べるとシンセの響きや打ち込みがうるさくなくて、ピアノや民族楽器といった生身の楽器を中心に、ギリシアの哀愁を散りばめた素晴らしいアレンジの中を、透き通るような表情や詩情豊かな表情などイメージを変えつつ幾重にも重ねられたボーカルが散りばめられる。メロディは流麗にして、楽しい雰囲気から深遠な雰囲気と変幻自在でどの曲もレベルが高い。ケイト・ブッシュ的なレコーディングへの偏執さも感じるが、自分の殻と聴者との間のバランスが絶妙で、けして軽くはないんだけど重くもなりすぎていない。4曲目の涙を誘うバラードの反面、躍動感溢れ胸のすくような5曲目など、どうしたらこんなにレベルの高い楽曲を並べられるんだろうと感心しきり。
ギリシア女性ボーカル物の中で、個人的には決定的な1枚。プログレ的な香りと地中海の哀愁。本人はもちろんアレンジャー、プロデューサーなど、本作に関わったであろう全員の才能の高さを感じるところ。名盤のオーラが漂う。これだけの作品にはめったに出会えません。

名作度 9 
聴き込み度 9
気に入り度 9

マリアパパドボリュー
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2005年02月05日

スパノダキス

今日の1枚。
ΣΤΑΜΑΤΗ ΣΠΑΝΟΥΔΑΚΗΣ / ΜΑΡΜΑΡΩΜΕΝΟΣ ΒΑΣΙΛΗΑΣ (1998) ギリシア

スタマティス・スパノダキス(スパヌダキス?)と読む。48年生まれ。インストを中心に多くの良質の作品を出しているアーティストらしい。ヴァンゲリスのようなイメージだろうか。本作は98年作で、○ーデンシェッドでは「大傑作」と評されている。
アレキサンダー大王をテーマにしたコンセプトアルバムらしい。壮麗なストリングスや、古代を思わせる重厚な女性コーラス、エキゾチックに哀愁の旋律を奏でる民族楽器、そして蝋燭の灯火のように揺れる愁いを湛えるメロディが絶妙のブレンドで絡み合っている。
とても美しい印象だが、「天上の至楽」といった趣ではなく、どこか人間の愚かさなどの影の部分までも表現しているようで、イージーな鑑賞に向いていながら奥深く、知らないうちに物思いに耽ってしまうような印象だ。穏やかの中にも、一本芯が通っていて安易な解釈を寄せ付けない雰囲気は、やはり名作特有のオーラを感じるところ。
ジャンル的には、ドラマチックなクラシック系になるのかな。個人的にはヴァンゲリスよりも深みとコクがあって好み。最近数ヶ月間、ずっと聞き続けている1枚。
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2004年12月16日

アルキスティス・プロトプサールティ

ΑΛΚΗΣΤΙΣ ΠΡΩΤΟΨΑΛΤΗ / ΣΑΝ ΗΦΑΙΣΤΕΙΟ ΠΟΥ ΞΥΠΝΑ (1997) ギリシア

57年エジプトはアレキサンドリア生まれのアルキスティス・プロトプサールティの97年作。今ではヒットメーカーという元ソクラテスのニコス・アンティパスの素晴らしいアレンジの光る名盤だ。
未確認だが、活火山をテーマにしたコンセプトアルバムのようだ。ドラマを感じさせる壮大なオーケストラや、哀愁の民族色を散りばめたアコースティックな弦楽器などが、白亜の神殿の先に見える紺碧のエーゲ海を思わせる雄大な音空間を演出する。そして、哀愁を帯びつつ、伸びやかに熱唱するボーカルが素晴らしいドラマを紡ぐ。ギリシアの女性シンガー物の中で叙情派といってもいいほど、聴き手の脳裏に容易に映像を描かせるような音像提供がなされ、いつしか心は地中海の上空といった感じだ。
ボーカルは、完成されていない不安定な表情をみせるかと思えば、成熟したしっとりとした声を聞かせたり、曲にあわせて変幻自在な表情を見せて高レベルで奥が深い。流行とは別の次元で、後世まで伝えられるクオリティをもった名作だと思う。もうすこし時の流れで熟成されると、もしかしたらプログレ/シンフォニックの観点から評価されうる作品になるような気がする。


alkisu
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2004年12月10日

雅典

今日の1枚。
ΜΑΡΙΑ ΠΑΠΑΔΟΠΟΥΛΟΥ / Σ' ΕΝΑ ΚΟΣΜΟ ΜΥΣΤΙΚΟ  (2001) ギリシア

74年生まれ。ギリシアの歌姫という形容のよく似合うマリア・パパドポリューの2作目。アルヴァニタキの最新作にも曲を提供するなど、もともとは作曲家として活動していただけあって、アーティスティックな香りのするシンガーだ。
ギリシアポップスというとエーゲ海の哀愁とエキゾチックさといった印象があるんだけど、本作は基本的にはその範疇内ではあるものの、より深みや幻想的な雰囲気が濃厚だ。北欧系のような透明感のある声質と、高尚的な意匠を凝らした曲展開やアレンジが、ギリシアの哀愁と美を振りまき展開する。巨大な音壁のように立ちはだかるシンフォニック色など、重厚でよく練って作り込まれた印象だ。ジャケットを見る限りコンセプトアルバムのようで、様々なタイプの曲が一貫したテーマに沿った中で展開していき、プログレの匂いも仄かにする。
名作のオーラを湛えた傑作だと思う。ただ個人的には、贅沢な注文なんだけど、多少作りこまれすぎて息苦しさのようなものも感じてしまうところで、もう少し純粋なメロディなど、曲のよさを全面に出した方が良い気がする。厚着をしすぎて、動きが重くなりすぎているような感じがするんだよなあ。



mariapapa
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2004年12月08日

エレーニ・ペータ

12月8日といえば、ビートルズファンには忘れることの出来ないジョンの命日。
あの忌まわしい事件の記憶は、けして薄れることは無いのだ。
そして、もうひとつ気付くのだ。
ジョージの命日、今年も忘れてた・・。


サボり気味の今日の1枚。
ΕΛΕΝΗ ΠΕΤΑ / ΟΛΑ ΑΡΧΙΖΟΥΝ ΕΔΩ  (2001) ギリシア 

72年生まれの美形女性シンガー、エレーニ・ぺータの4作目。別名ギリシアの中島美嘉(笑)
端整な顔立ちからは想像しがたい低音の深みのある声で、アルヴァニタキの声質に近い。曲調もドラマチックに歌い上げる曲が多く、しっとりとした声質から感情を解き放つかのように広がりをみせる声が、アルヴァニタキに似ている。とはいえ、打ち込みビートなどへの適応や声の艶っぽさなど、魅力は溢れんばかりの完成された素材だ。
1と5のドラマチックバラードで気絶してしまうんだけど、メロディアスに盛り上がるな6や13など全曲レベルの高い哀愁のギリシアポップスといった趣で隙は無い。またアレンジが素晴らしくて、ジャズっぽい10や民族色の出る8などリズムビートを交えながらも質感が高くて曲の出来がカッチリと引き締しめている。時折出てくる弦楽器の響きも高貴な雰囲気で彩りを添えている。
落ち着いた雰囲気でしっとりと聞かせつつも、盛り上がりどころも忘れていない。ギリシアポップスの王道といった印象だ。レベル高し。ジャケ買いですみません。

erenaveta

腕に貼られた「生現」というタトゥーシールが謎。
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2004年10月23日

ひろりんもブロンドがお好き

というわけではない。

今日の1枚。
ΛΕΝΑ ΠΑΠΑΔΟΠΟΥΛΟΥ / ΚΑΤΙ ΑΣΤΕΡΙΑ  (2004) ギリシア

レナ・パパドボリューと読む。高レベルのギリシア女性ボーカル物の中でも最高ランクのルックスなのだそうだ。もちろんジャケ買い。
最先端ポップスといった感じで、激しい打ち込みビートやパーカッションを軸に凝ったアレンジがなされている。最先端だが、大都市の香りのするものではなく、地中海や中東といったエキゾチックな匂いの強さは地域性を強く感じさせ個性的だ。仄かな哀愁感も漂わせている。
端整な顔立ちの美女だが、声はややハスキーで太め。どちらかというと元気のよさや力強さが印象に残るが、ギリシア語の美しい独特のアクセントが実によく映えて聞き惚れる。力強く歌いきり聞く者に元気をふりまく王道的に良い曲の5が耳に残るが、6や7の湿っぽく歌い上げる艶っぽさも良い。
アップテンポからドラマチックなスローバラードまで、どの曲も高レベル。躍動感に乏しいが、逆に安っぽい軽さが皆無で質感の高い力作だと思う。

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2004年08月16日

アルヴァニタキ

今日の1枚。祝今日も金メダル。
ΕΛΕΥΘΕΡΙΑ ΑΡΒΑΝΙΤΑΚΗ / ΟΛΑ ΣΤΟ ΘΟΣ (2004) ギリシア


エレフセーリア・アルヴァニタキと読む。70年代初期から活動している長髪の美人女性シンガー最新作。初回限定盤としてボーナスDVDが付属。本作のほぼ全作のメイキングがインタビューを交えて収録されているが、言葉がわからないのでサッパリわかりましぇん。
地中海の哀愁とエーゲ海のロマンが全面を覆う。たしかな演奏とセンスのよいアレンジ、そしてベテランらしく表情豊かな美声とくれば、悪いわけがない。まるで風に揺れるローソクの火のように、ゆらゆらと揺らめき周囲の風景はそのたびにエキゾチックに表情を変えるが、風速50メートルでも消えないだろうしっかりとした芯が一本通っている完成度。民族楽器や弦楽器も効果的にメロディを紡ぎだし、特にアコースティックギターの乾いた哀愁の旋律が、楽曲を引き締めている。
上品だが人懐っこい表情も常に漂わせ、間口は広いのに奥も深い。欠点を探す気にならないほど、最初から最後まで曲がよい。哀愁と気品に満ちた、極上のギリシアポップス作。後年きっと名作と言われることだろう。

alvani
posted by ひろりん at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | ギリシアのロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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