2004年08月25日

芽生えの時

ワインが好きな人は孤独な人が多いのだそうだ。
反論できず。

今日の1枚。
EMTIDI / saat (1972) ドイツ


カナダ人女性のDolly Holmes(vo,organ,piano,mellotron)とドイツ人男性Maik Hirschhfeldt(g,fl,syn.per,vo)によるフォークディオ。70年にファーストを出した後に、ヘルダーリンのファーストと同じピルツレーベルに移籍して発表されたのが本作。邦題は「芽生えの時」。プロデュースはレーベルの生みの親ウルリッヒ・カイザー。
神秘的な透き通った美声とアコースティックな楽器が絡む、基本的にはブリティッシュフォークのようなスタイルなんだが、ギターの音色に歪んだ処理がなされていたり、メロトロンが垂れ流れていたり、浮遊感漂うサイケデリックな表情がジャーマンロックそのものだ。歌詞は英語で、英国の田園を思わせるメロディを歌っているのに、空を見上げるの迷彩色に染まっているという印象。素朴さと幻想が交錯する非日常な異空間といった感じで、夢、宇宙、幻といったキーワードが浮かぶ。ただ、あまり上手いとはいえない男性ボーカルが時折入って、イマジネーションの進行を止めてしまうようになってしまうのが残念。もしかしたら歌詞に抑揚をつける意味があるのかもしれないけど、全面に女性ボーカルを配した方がよかったと思う。
ジャーマンロック円熟期の1枚。聞き手に緊張を強いるバンドの多い中にあって、この聞き易さは貴重。ドイツ国内では培養されない音楽が、ドイツ国内でしか培養できない音楽と融合した1枚だと思う。


Saat
posted by ひろりん at 23:45| Comment(4) | TrackBack(1) | ドイツもコイツもロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月26日

カサブランカ・ムーン

今日の1枚。デビューはドイツだから、ドイツでいいのか?
SLAPP HAPPY / Casablanca Moon (1974)

アメリカ人のピーター・ブレグヴァッド、イギリス人のアンソニー・ムーア、その奥さんでドイツ人のタグマー・クラウゼの3人組。ファウストとファーストアルバムをドイツで製作した後、ヴァージンに移籍し英国へ。すでに完成していたセカンドアルバムだったが、録り直して発表されたのが本作。ちなみにこのお蔵入りアルバムはずっと後年になってタイトルを「アクナルバサック・ヌーム」として発表された。
ファウストとの関係やヘンリー・カウへの吸収などアヴァンギャルドなイメージがつきまとうが、本作に関する限りは非常によくできた耽美派ロック。密室で作りこまれたような閉塞感漂う音空間を、タグマー・クラウゼのアンニュイでいてクールなボーカルが漂う。レトロというわけではないがどこか懐かしさを感じる曲調と、この時代にしてすでにニューウェーブ的な音触りが奇妙に共存している。ただ、けして流行に乗るような雰囲気ではなく、時間軸とは別の次元で存在しているような普遍的な響きに満ちている。タイトル曲は出色の出来。これが駄目な日本人は、少ないんじゃないだろうか。
耳触りはひたすら心地よいが、その奥の闇の暗さは何だろうか。ポジティブさは皆無だが、かといってネガティブでもない。日本の表情のない能面に感じる静寂感とでも言おうか。そういえば10曲目のタイトルは「HAIKU」だ。
地味だけど、一度この世界に浸ってしまうと、しばらくどこにも行きたくなってしまうような1枚。プログレではないと思う。


Casablanca Moon/Desperate Straights
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2004年06月19日

ヘルダーリンの夢

わー、メロン盗まれた。
5玉ほど、引きちぎられていた。
ハウスなら鍵をかけたりもできるが、露地トンネルだからなす術なし。
人間のモラルを信じるしかない。

とか言って、午後に見に行ったら、
わー、カラスにメロン食べられた。
カラスのモラルを・・・。


今日の1枚
HÖLDERLIN / HÖLDERLIN's Traum (1972)ドイツ

18世紀〜19世紀を生きたドイツの詩人から名をとったバンド。次作からは綴りを英語表記に変えてHOELDERLINと変えてジャーマンシンフォの一翼を担うことになるが、このデビュー作では繊細なアコースティック楽器の絡み合うフォークだ。メンバーはギター、ベース、ドラムに、ヴァイオリン・フルート・チェロ・フルート・メロトロンなどを扱う2名、そして女性ボーカルの6人がクレジットされている。デュッセルドルフの東にあるヴッぺルタール出身。
基本的にはブリティッシュフォークに見られる、美声ボーカル、哀感、トラディショナルな雰囲気といった特徴を備えているんだけど、神経質に響くメロトロンや、スリリングな表情を見せるフルート、効果的に絡む弦楽器など派手ではないながらときめかずにはいられない要素がいっぱい。奇妙な盛り上がりを演出するドラムも面白い。ドイツ語のイントネーションが独特の抑揚を抑えた女性ボーカルも、じわじわと心に訴えかけてくる不思議な魔力に満ちている。
ブリティッシュフォークの森が遠い昔の記憶に残る懐かしい森だとすれば、こちらは妖気漂う神秘の森といったところだろうか。「破壊と再生の過程を通じて,彼岸の理想の全的実現をめざして,つねに生成し発展する」として現実を捉えた詩人ヘルダーリン(しったかぶり)、本作で提示された混沌とはしてなく確固とした美意識に支えられた完成度の高さの裏に潜むものは何だろうか。何もないかも。
ヘルダーリンの夢(紙)


ヘルダーリン詩集
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2004年06月16日

錬金術師の物語

黄色の車に乗っている理由。
乗ってる人が少なくて目立つから。
よく、乗っている車で、タイプの異性がわかるというがどうなんだろう。
アヴァロンに乗っている人は、フェリー好き?
藤田朋子はやっぱり、ビートルに乗ってるんだろうか。
ミツルハナガタ2000に乗ってる花形は、自分好きということ?
ロス・インディオスの方は、ぜひシルビアに乗っていて欲しい。


今日の1枚
STERN-COMBO MEISSEN / Weisses Gold (1978) ドイツ

旧東ドイツのシンフォニックロックバンド、シュルテン-コンボ・マイセンの2作目。ダブルキーボードにダブルドラムだが、ギターレスの7人編成にオーケストラも導入された意欲作。ベル・アンティークから日本盤も出ているようだ。邦題は「錬金術師の物語」。バンド名にも入ってるマイセンは、高級食器として僕でもしってるくらい有名だが、18世紀に最初にあの白色磁器を作り出したヨハン・フリードリッヒ・べドガーの生涯を描いたトータル作らしい。
機材のせいか音圧は圧倒的ではないものの、スケールの大きな展開。語りが入ったり、重厚なコーラス、バンドと一体となったオーケストラがドラマを感じさせ、変幻自在に音を紡ぐキーボード群とハイハットさばきが抜群なドラムが楽曲を引っ張る。
リック・ウェイクマンの初期のようなクラシカルな中世を感じさせる一方で、ELPのようなスリリングな展開も見せる。西欧ではなかなか出ない哀しみに満ちた気品ともいうべき東欧的な雰囲気もたっぷりだ。
マイセンのあの独特の白に隠された歴史上の人物への尊敬と畏怖と懐疑?が、よく音に現れていると思う。叙情派シンフォニック、そしてキーボードロックとして高い完成度。傑作に違いない。
posted by ひろりん at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツもコイツもロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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